
2025-10-1
TASCHEN; Multilingual版 , 2025
Bruce Weber(ブルース・ウェバー)
ブルース・ウェバー(1946-)は、現代を代表する米国人の写真家/映像作家です。
彼はキャリアを通して、いままでに多様なイメージを生み出してきました。それらは、アーティスト、俳優、アスリート、大型犬ゴールデン・レトリバーのポートレート、広告キャンペーンや主要ファッション誌に掲載されたイメージ、叙情的なエロティシズムを賛辞するヌード、理想郷の様に提示されたアメリカの風景までにおよびます。
彼を有名にしたのは80年代に開始されたカルバン・クラインの一連の広告キャンペーンです。 特に1982年のアンダーウェアー広告では、水泳で鍛えられたギリシャ彫刻のような素人を男性モデルに起用し大きな話題になります。彼は、性開放、女性開放、ゲイの権利運動などの時代の雰囲気をファッション写真に取り入れたのです。彼の出現でファッション写真自体が大きく変化します。彼の成功でクライエントやファッションエディターが写真家のオリジナリティーを認め、より自由裁量を与えるようになったのです。
「My Education」は、ブルース・ウェバーの人生、作品、そして創造の旅路を明らかにする一冊です。彼の最も象徴的な作品から、これまで未公開だったもの、あまり知られていないものまで、500点以上の写真で彼のキャリアを振り返っています。単純な年代順ではなく、家族、創造性、身体性、ヒューマニズム、セクシュアリティ、表現といった重要な概念が、ウェバーの一生にわたる好奇心をどのように刺激してきたかが反映されたテーマ別の構成となっています。このアプローチにより、彼の写真家としての進化を他に類を見ない視点で捉えることができます。
本書には、ウェバーの名高いファッション写真やポートレート、Vogue、GQ、W Magazine、Vanity Fair などの主要ファッション誌のエディトリアル・ページに掲載された忘れがたい作品が収録。また、珍しい編集記事や、これまで公開されたことのないルポルタージュ写真も紹介しています。彼は、現代で最も影響力のある文化人、政治家の多数のポートレートを不朽の作品として残しています。それらはアンセルム・キーファー、キム・カーダシアン、ルイーズ・ブルジョワ、レオナルド・ディカプリオなどが含まれます。彼のユニークな表現能力は、親密なポートレートでもダイナミックな編集記事の写真でも、被写体の本質を見事にとらえています。
この一冊は単なるウェバーのビジュアルによる軌跡の振り返りを超えた存在だといえるでしょう。それはコラボレーションの精神、相互のインスピレーション、そして創造的表現の追求に対する彼の個人的な賛辞なのです。また、チャールズ・ブコウスキー、ルパート・ブルック、ジョン・スタインベックなど、多くの作家による個人的な物語や文章が散りばめられており、ウェバーの独特で影響力ある写真と映画制作へのアプローチ形成に影響を与えた、教師、友人、協力者、人々を称賛するものでもあります。また彼は、グレース・コディントン、デニス・フリードマン、ステラ・テナントといった親しい協力者たちに関する非常に個人的な逸話の中で、単なる仕事上の協力以上の深い絆について回想しています。
ハードカバー : 564ページ、サイズ 24.3 x 5.4 x 35.5 cm、約500点以上の図版を収録。