
2026-9-1
Fraenkel Gallery, 2026
Robert Adams(ロバート・アダムス)
ロバート・アダムス(1937-)は、古典的な雄大な自然美ではなく、都市化により変貌する米国西部の風景をテーマに創作活動を行っているアメリカ人写真家。1975年にジョージ・イーストマンハウスで行われた“ニュー・トポグラフィックス・人が変えた風景”展に選出され、その冷徹で客観的なイメージは現代アートの流れでも評価されています。いままでに米国西部をテーマにした40冊以上の写真集を刊行、代表作には「The New West」(1974年刊)などがあります。
2010年には、エール大学・アート・ギャラリー企画によるキャリアを回顧する大規模な巡回展「The Place We Live, a Retrospective Selection of Photographs, 1964–2009」、2022年には、ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリー・オブ・アートで「American Silence: The Photographs of Robert Adams」を開催しています。
本書は、この米国西部をテーマにするドキュメンタリー写真家による、これまで未公開だったコンタクトシートの集大成です。約50点の写真と、それに対応するさまざまなフォーマットで撮影されたオリジナルのコンタクトシートを併載しています。各コンタクトシートには、中判フィルム1本分の露出画像、あるいはコンタクトプリントされた4×5ネガと鉛筆で描かれたプリントガイドが収められています。これらの写真は、1960年代から1980年代半ばまでの20年間にわたるもので、アダムスがこれらの大型ネガから、より機動性の高い35mmカメラへと切り替える直前の時期のものです。
彼の西部の風景写真は、人間による開発に直面しても、なお回復力を持ち続ける自然を象徴的に物語るものです。しかし、この未公開のコンタクトシート集が示すように、コロラドの澄んだ光の下で、雲、木々、道路を精密に配置した作品は、決して必然的なものではなかった事実が明らかになります。むしろ、それらはアダムスがフォルムを執拗に追求した結果に生まれたものであり、トリミング線や露出時間、その他のメモが記されたプリントからも明らかなように、彼ならではの厳格で独創的な撮影技術の賜物なのです。
コンタクトシートは、かつて写真家が真剣に撮影した写真1枚づつが手作りであった時代の遺物です。そこには、アダムスが何を探求し、何を切り捨てたかを視覚的に記録しています。ギャラリストのジェフリー・フレンケルが序文で述べているように、アダムスのコンタクトシートは、「彼(アダムス)が決して『完璧な写真』を探していたわけではない事実を私たちに気付かせてくれます。彼は、その写真が『一つの写真』に絞り込まれるまで探求し続けたのです」。
ハードカバー 108ページ、サイズ 30.73 x 2.03 x 33.02 cm、多数のモノクロ画像を収録。