◆写真集解説◆
長年絶版で古書市場では非常に高価で取引されていたスティーヴン・ショアーによる1982年の名作が完全版として復活刊行されました。
彼は1972年頃から当時は広告やファッションでしか使用されていなかったカラー写真による作品に取り組むようになります。
1973〜1979年間でのあいだ北米を幅広く旅し、旅で発見した米国フロンティアの残り香が残る風景を8X10のビューカメラでシャープ・フォーカスで撮影したシリーズを
1975年のライトギャラリーの個展で発表しています。1976年には近作を加えた同シリーズの35点でニューヨーク近代美術館で個展を開催しています。
そして1982年にまとめられたのがオリジナル写真集の「アンコモン・プレイセズ」です。
アメリカ地方都市の何気ない風景を大型ヴューカメラとネガカラーで客観的視点で撮影された作品はアメリカ人の誰しもが心に持つ、
懐かしいアメリカン・シーンの原風景と重なったことで支持されます。
本作品には初版時に収録されなかった、ポートレート、インテリア、細部風景など未発表約60点を含む140点が収録されています。作家のショアーいわく、未発表作を収録した
写真集におけるディレクターズカット版です。
彼の一連のカラー作品は、アンドレアス・グルスキーやトーマス・シュツルートなどのアーティストにも多大な影響を与えています。現代アーティストのカラーによる巨大風景作品の原点がショアーのこの写真集といえるでしょう。
スティーブン・ショアーのプロフィールも紹介しています。こちらもご覧下さい。