"Many Are Called"
Walker Evans(ウォーカー・エバンス)
James Agee ほか著
Yale Univ Pr 2004 US$40.-  ハードカバー

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◆写真集解説◆

地下鉄の乗客を隠し撮りしたウォーカー・エバンスの長らく絶版だった写真集の新版です。エバンスは 1936〜1941年まで作家・詩人のジェームズ・エイジイと名著として知られる"Let Us Now Praise Famous Men (1941)"に取り組んでいました。同時期に進行していた本のプロジェクトが"Many Are Called"です。
この本の実現には非常に長い時間がかかっています。1938年にウォーカー・エバンスはニューヨーク市地下鉄の乗客の撮影を開始します。35mmのコンタックスカメラを隠し、 コートの折り目越しに自分の世界に思いふける乗客の顔の撮影を行います。 “公共の場所であるにかかわらず、地下鉄客の顔は寝室に一人でいる以上に無防備で自然体だ”、とエバンスは語っています。 1941年ころまでに写真は600を越え、編集作業を開始します。しかし1966年のニューヨーク近代美術館での地下鉄ポートレートの個展開催まで写真集は出版されませんでした。
新版では前文等が新しくなり、表紙イメージは違いますが、オリジナルと同じ掲載順のモノクロ89点が収録されています。ほとんどのイメージがオリジナルネガから新たにデジタルスキャンされ、画像が格段に良くなっています。
1966年当時、個展も写真集も高い評価を受けることができませんでした。エバンスは写真に解説を付ける意図があったもののイメージのみの紹介になった経緯もあるそうです。 しかし写真はいまやアートとして認識され、エバンスの評価も60年代よりはるかに高まっています。
彼は本写真集収録のような“匿名性、ドキュメント性がある人間のストレート写真が真のポートレート写真だ”と語っています。彼の作品趣旨がやっと理解され新版刊行につながったのでしょう。

ウォーカー・エバンスのプロフィールも紹介しています。こちらもご覧下さい。


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