◆写真集解説◆
フォトブックの古典であるロバート・フランクの「アメリカ人」刊行50周年記念版がスタイドル社から近日刊行予定です。この本は、アパチャーをはじめ、
いままでに多くの出版社から様々なヴァージョンが出版されてきました。直近では1993年にスカロ社エディションが再版されましたが既に絶版です。
オリジナルの初版は1958年の5月15日にフランスのRobert Delpire社から"Les Americains"として刊行。これは社会学的探求の色合いが強いもので、フランクの写真は対面ページのテキストのさし絵的な扱いでした。1959年の米国Grove
press版は、収録写真83点は同じですがフランス版とは別物。テキスト部分は全て取り除かれジャック・ケルアックの序文のみとなり、写真の左側対面ページは撮影場所を表示したキャプションのみが表示されます。これは、ウォーカー・エバンスの"American
Photographs"のレイアウトを意識したといわれています。
今回のスタイドル版では、フランク本人がデザイン、制作、紙のセレクションまで、全ての過程に参加しています。外見の違いは、本のサイズが再び小振りの1959年米国Grove
press版(約20.9 x 18.4 cm)に戻されたこと。83点のイメージは彼のヴィンティージ・プリントから新たに制作。大きな特徴は、いままではトリミングされていたイメージのほとんどがオリジナルサイズで収録されたこと。Delpire版およびGrove
press版と同じ扱いはわずか数点とのこと。また2点の作品については被写体は同じですが、これまでの全ての本に収録されていたものと若干違うネガティブからの写真を使用。ケルアックの序文とキャプションは変更なし。表紙及ぶタイポグラフィーは新たにデザインされています。アート写真ファン、フォト・ブックファンにとっては発売が待ち遠しい写真集です。
ロバート・フランクのプロフィールも紹介しています。こちらもご覧下さい。