コレクターズガイド

コレクションは大人の知的遊戯
好きなアート写真を買ってみよう!


まず20世紀から21世紀にかけてのアート写真の市場動向を簡単にお話しましょう。1999年10月27日ロンドン・ササビーズの写真オークションでフランス人 Gustave Le Gray(ギュスターヴ・ル・グレイ)の19世紀の "Grande Vague-Sete, circa, 1855"albumen printがStg507,500.(1999年時の換算レート、 @170 \86,257,000.)で落札され、当時の1枚物写真のオークション記録を塗り替えました。しかしその後好調だった米国経済はネットバブルの崩壊の影響で急激に減速し、アート市場も少なからずその影響を受けることになります。

2000年代前半は、世界同時多発テロや企業の会計疑惑の 発覚などで ハイテク株中心のナスダック市場で株価低迷が続きました。 美術市場は株価の影響を強く受けます。 アート写真は暴騰していなかったので暴落はありませんでした。しかしコレクター筋の作家、作品を選別する目は非常に厳しくなりました。 希少な19世紀〜20世紀初めの作品や、例えばニューヨーク近代美術館の収蔵作品売却など、 来歴の確かな作品の人気は高いものの、購入が容易な一般作品への需要は低調でした。

2003年あたりからは米国での景気回復が明確になり、株価も上昇してきました。2004年に入っても好調さは持続され、 ついに中央銀行の超低金利政策が終焉し、今度はインフレ予防の利上げを開始します。低調だったアート写真市場も2003年の春あたりに転機を迎えました。 フランス人写真家 Joseph-Philibert Girault de Prangey(1804〜1894年)のダゲレオタイプ作品”Athenes,1842”が 2003年5月20日クリスティーズロンドンで開催のオークションで、565,250ポンド(@190,約1億7百万円)で落札され、 当時のアート写真の最高落札価格記録を更新したのです。その後、米国経済の回復が進み、 グローバル経済進行、資源価格上昇が新たな富裕層を生み、世界中のアート市場が活況を呈します。 アート写真も例外ではなく、2005年〜2006年にかけて良質作品の市場価格は大きく上昇し、 他アート比較での割安感がなくなります。一方で、市場全体が活性化し 将来のスーパースターになるアーティストを幅広く物色するような動きも散見されるようになりました。 そして2006年2月、ササビーズ・ニューヨークで、エドワード・スタイケンの"The Pond - Moonlight"(1904年作)が、 約292万ドル(約3億5千万円)という写真オークション最高額で落札されます。

美術市場はその国の経済状況を色強く反映します。バブル崩壊から金融危機を経験した 日本経済は最悪期は脱しましたが、 いまだ本格回復にはいたっていません。 90年代前半に将来性を見込んで新規参入してきた 業者は軒並み赤字拡大に耐えることができず撤退しました。消費不況で苦しむ流通系企業も文化支援事業から完全に手引いてしまいました。個人向けの作品販売のみを収入源とする欧米的な商業ギャラリー数は激減しました。現在はほとんどがレンタル・ギャラリーになってしまいました。

しかし日本でもコレクター層は確実に広がっています。90年前半には写真がアートとして販売されることが珍しく、マスコミで何度も取り上げられました。 最近はアート作品としての写真の地位はほぼ確立しています。コレクター層も多様化してきました。 初期にはマニアのコレクターやデザイナー、フォトグラファーなど一部の流行に敏感な人が購入するに過ぎませんでした。 現在は普通のサラリーマン、OL、主婦まで幅広い層の人々が写真を購入します。

最近の景気回復傾向と地価下落が止まったことから、将来の金利上昇を見越しての住宅投資が好調です。 特に30歳代の一次住宅取得者向けのマンション販売が順調のようです。 それに伴いインテリアショップの数も大幅に増加しています。新居を購入し、家具を揃えると壁に飾る美術作品の購入を検討することが自然の成り行きです。 現在の若い世代はアートとしての写真に抵抗感がまったく ありません。写真作品もモノクロだけでなく、カラーやデジタルプリントが普及し、 購入する選択肢も増えています。いまでは自分らしい心地よい空間作りの一環として、家具類を購入するのと同じ感覚で写真も選ばれるようになったのです。
オリジナル・プリントに対する潜在需要は今後ますます大きくなるでしょう。近い将来にインテリア、コレクション用としてアート市場の一部を占めるようになると思われます。

写真の飾りかたも多様になってきました。従来は黒のスティールフレームが主流でした。 最近は海外から多種多様なデザインのフレームが輸入されるようになりました。 価格もかなり安くなってきました。国内製でも優れたものが増えています。 絵画用のデコラティブなフレームを使用することも珍しくありません。 オールド・バーンウッド(輸入古材)を利用してオリジナルフレームを制作するこだわり派もいます。いままで、写真はマンションの白い壁に似合うモダンなアートとされてきましたが、 フレームの選択肢が増え、どんなスタイルを持った部屋にもコーディネートが可能になってきたのです。

オリジナル・プリントが新しいジャンルのアートとして注目されているのは市場自体がまだ比較的新しいので、手頃な値段で有名作家の作品が入手可能だからです。 最近はかなり値段が上がりましたが、写真集やポスターで見たことがある有名作品でさえ少し無理をすればまだ入手可能です。 現代アート、版画、絵画ではとても考えられません。
投資価値の観点からも写真はたいへん魅力的です。有名作品であれば ニューヨーク・ ロンドンのオークションで頻繁に取り引きされており、版画などよりはるかに作品の流動性が高いのです。 良質のコレクションはドル資産を持つと同じ意味でもあるのです。

もしあなたに将来性のある作家を見抜く眼力があれば10年後の人気作家の作品を今のうちに低予算でコレクションしておくことも可能です。 内外のギャラリーでは若く才能のある作家の作品がまだ低価格で数多く紹介されています。 評価の未確定のアート写真を購入するこは自分の感性を信じて行う楽しい知的遊戯。 これこそがコレクションの醍醐味です。また新人作家をサポートすることにもなります。作品購入を意識すると作品を真剣に見るようになります。 写真なら低予算でもまだ十分に楽しむことができます。今後、この傾向はより強まると思われます。

アート・フォト・サイトではオリジナル・プリントのコレクションを始めたいと考えている方やインテリアに合った作品の購入をお考えの方に基本的ノウハウを提供しています。 まずはプロのアドバイスを参考にして、あなたのオリジナル・プリント・コレクションを気に入った1枚から始めてみませんか。


本ホームページは信頼出来る一般情報に基づいて参考資料として作成したものです。
本文の内容は一定の仮定に基づくものであり本文の確実性を表明するものではありません。

コレクターズガイド
アート・フォト・サイトのホームへ


(C)Copyright 1999-2006 Blitz International All rights reserved