経済、社会状況をアート市場は素直に反映します。 今秋のニューヨーク・アート写真オークションも長期的な株価下落と近づきつつあるイラク攻撃の影が色濃く反映された結果となりました。相変らずコレクターは購入作品を厳しく選択しているようです。来歴が確かな良質作品へのニーズは高いものの、いつでも購入できる普通レベルの作品は
経済状況の影響を強く受けていることが改めて印象付けられました。
- スワンギャラリー: 10月21日
スワン・オークションはユニークな品揃えと、比較的低価格の出品作品が多く、広い層のコレクターに人気が高いことで知られています。 今回は関係者の関心もあまり高くなく、注目作品も軒並み不落札でした。
最終的な不落札率は49%と非常に高く、落札された作品も 60%以上は予想落札価格の下限以下でいた。
- クリスティーズ : 10月22日
出品数が多かったクリスティーズも苦戦しました。不落札率は53%、総売上も春の約$2,600,000.を下回る約$2,450,000.(@125/約306,250,000円)でした。
注目作品ではカタログ表紙でアンディー・ウォーホールのコレクションだったマン・レイのソラリゼーション"Calla
Lilies,1931"、予想落札価格上限$100,000(@125/\12,500,000.) が$185,500.(@125/23,187,500円)で落札されました。
ドロシア・ラングの代表作品"Migrant Mother,1936" は予想落札価格上限$200,000.(@125,\25,000,000.)
が$141,500.(@125/17,687,500円)で落札されました。
カタログ裏面にイメージが掲載され、高額の落札予想価格が付けられていた、11枚のダイ・トランスファー作品からなるウィリアム・エグルストンの"Graceland
Portfolio,1984"は不落札でした。
- ササビース : 10月22日〜24日
今回のオークションはニューヨーク近代美術館所蔵作品とニューヨーク市立美術館のベレニス・アボット作品の重複コレクションの売却がメインとなりました。
来歴が確かな有名作品購入の絶好の機会と、多くのコレクターの注目を集めました。設定価格も控えめだったことから、一転して非常に活発な入札になりました。
通常オークションを含む3日間の実績は春を大幅に上回る約$4,800,000.(@125/約600,000,000円)でした。
個別作品ではカタログ表紙を飾ったウォーカー・エバンスのヴィンテージ・プリント"Breakfast
Room,Bell Grove Plantation,Louisiana, 1935"が$141,500.(@125/17,687,500円)で落札されました。
マン・レイのレイヨグラフ作品 "Untitled(Rayograph with
Flower and Fens),1922"が予想落札価格上限$250,000(@125/\31,250,000.) を上回る$339,500.(@125/約42,400,000円)で落札されました。これはレイヨグラフ作品の最高落札価格です。
ニューヨーク市立美術館のベレニス・アボットのヴィンテージ・プリント作品 は出品84点のうち24%が不落札と好調を維持しました。
総売上は約$670,000. (@125/約83,750,000円)でした。
最終日開催の通常オークションは、やはり経済状況の影響がでて、不落札率が41%に跳ね上がります。ポール・ストランドなど高額の落札予想価格がついた作品が不調で、 総売上は約$1,438,000.(@125/約179,750,000円)でした。
- フィリップス(Phillips de Pury & Luxembourg) : 10月25日〜26日
2002年春に写真オークションに再参入して注目されたフィリップス。 今回のオークションは出品作品レベルが高く比較的好調でした。全体の不落札率は32%、総売上は春を上回る約$2,180,000.(@125/約272,600,000円)を達成
しました。
最高額落札作品は、マン・レイの和紙にプリントされた1点ものプリントの "Noire
et Blanche"で、$339,500.(@125/約42,400,000円)で落札されました。その他、杉本博司、アダム・フス、フィリップ=ロルカ・デコルシア
などのコンテポラリー・アート作家の入札は好調でした。
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