今春のニューヨーク・アート写真オークションも景気低迷で上昇する失業率、財政・貿易赤字拡大、デフレの影が色濃く反映された結果となりました。株価は一時の低迷からは脱しているものの、昨秋同様、コレクターは購入作品を厳しく選択しているようです。
シーグラム・コレクションのように来歴が確かな良質作品への購入意欲は高いものの、クリスティーズの低迷が明らかなように、いつでも購入できる中間価格帯の作品は景気の影響をいまだ受けていることが印象付けられました。
- クリスティーズ:4月22日
229点が出品されたクリスティーズは、ロドチェンコなど高額の落札予想価格がついた作品が不落札や、予想価格の下限で落札され、全体的に非常に苦戦しました。不落札率は42%、総売上は秋の約$2,450,000.を下回る
約$1,938,000.(@120/約232,560,000円)でした。
最高額で落札されたのはインディアンや西部の写真で知られるエドワード・カーティスの18枚セットのポートフォリオ"The
North American Indian",で、予想落札価格上限$80,000(@120/\9,600,000.)が$101,575.(@120/12,189,000円)で落札されました。カーティスの落札は好調で総売上の30%余りを占めました。
ポール・ストランドの1点ものの作品"Corea,House Hill,
New England,1945"は予想落札価格下限の$77,675.(@125/19,321,000円)で落札されました。
カタログ表紙でアダム・フスの"Untitled(Sunflower),1992"、は$11,950.(@120/1,434,000円)で落札されました。
- ササビース:4月23日
クリスティーズの高い不落札率から一転、ササビーズのオークションは非常に好調でした。290点の出品に関わらず不落札率はわずか25%、オークション実績はクリスティーズを大幅に上回る約$2,885,540.(@120/約346,264,800円)でした。
最高額で落札されたのはエドワード・ウェストンの有名なヌード作品 "Chairs,
santamonica,1936"が
予想落札価格上限$100,000(@120/\12,000,000.)を上回る$260,000.(@120/約31,200,000円)で落札されました。
ダイアン・アーバスも、人気が高く、"A family One Evening
in a Nudist Camp"が$74,400.(@120/約8,928,000円)で、 "Identical
Twins"が$55,200.(@120/約6,624,000円)で落札されました。
- フィリップス(Phillips de Pury & Luxembourg):4月24日〜26日
2002年春から写真オークションに再参入して注目されたフィリップス。今回はWest 15th Streetの新住所で行なわれました。24日の複数委託者による通常オークションは232点のうち不落札率多少高めの約40%、総売上は
約$1,574,000.(@120/約188,880,000円)でした。
最高額で落札されたのはエドワード・スタイケンの"George Washington
Bridge,1931"で、予想落札価格上限$20,000(@120/\2,400,000.)を大幅に上回る$77,675.(@120/約9,321,000円)で落札されました。
オークションの目玉は25日〜26日にかけて開催されたシーグラム社コレクションのセールです。1972年以来、主に20世紀のアメリカ建築と都会生活をテーマに約700点がコレクションされているそうです。今回は本業の低迷による資産売却の一環だそうです。来歴が確かな上、最低落札価格が設定されていないことも信用につながり、主要美術館、コレクター、ディラーが注目していました。結果は350点が完売で、シーグラム社の予想落札金額の上限だった$2,126,700(@120/\255,204,000.)を大幅に上回る$2,879,787.(@120/約345,574,440円)の総売上でした。最高額で落札されたのはウィリアム・エグルストンの14枚のポートフォリオで、予想落札価格上限$150,000(@120/\18,000,000.)を上回る作家のオークションレコードとなる$185,500.(@120/約22,260,000.円)で落札されました。その他の作家でもゲイリー・ウィノグランド、リー・フリードランダー、ルイス・ファー、
ジョエル・メイヤービッツ、ウィリアム・クラインなどの作品がオークションでの最高落札価格をつけました。
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