Master Works, Master Photographers
写真表現の軌跡第3部 ヨーロッパの写真
場所:
東京都写真美術館
作家名:
ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット、ジュリア・マーガレット・キャメロン、
ネグレッティとザンブラ、ルイ・デュコ=デュ=オーロン、ジョン・トムソン、
エティエンヌ・ジュール・マレ、アルヴィン・ラングドン・コバーン、
ピーター・ヘンリー・エマーソン、フランク・メドウ・サトクリフ、ハインリヒ・キューン、
ジャック=アンリ・ラルティーグ、マン・レイ、エーリッヒ・ザロモン、
アウグスト・ザンダー、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ブラッサイ、
アンドレ・ケルテス、ヨセフ・スデック、マリオ・ジャコメリ、ロバート・キャパ、
エド・ファン・デル・エルスケン、ロベール・ドアノー、ベルント&ヒラ・ベッヒャー
等のグループ展
主催者:
東京都写真美術館
開催情報:
99年11月5日〜2000年1月23日
料金:
一般500円、高中小生250円
問い合わせ先:
03-3280-0031
図録など:
解説付き無料のブックレットあり
その他情報:
学芸員によるフロアレクチャー:毎月第1・第3金曜日午後2時〜
Reviews

Y.F(blitzintl@nifty.com)

東京都写真美術館で今年6月よりシリーズ開催している、”写真表現の軌跡 Master Works,Master Photographs”の第三部です。今回は美術館の約2万点の収蔵作品の中から のヨーロッパ出身作家による写真で写真史を振り返っています。
展示のテーマが”ヨーロッパ写真の軌跡”と、非常に広い範囲なので特に戦後の作家のセレクション と展示の構成に苦労の跡が伺えます。個別作品では19世紀〜20世紀前半の写真史で非常に 重要なヴィンテージのオリジナルプリントが多数展示されています。有名作品が所狭しと 並ぶ会場は、欧米のオークションのプレビュー(下見会)をより整然としたような印象で す。オリジナルプリントのコレクションに興味のある人は絶対に見逃してはいけない写真 展です。

一般の人が作品の価値を、直接的に理解するにはその価格を知る事が一番簡単でしょう。 1999年10月27日ロンドン・ササビーズの写真オークションでフランス人Gustave Le Gray (ギュスターヴ・ル・グレイ)の19世紀の作品 "Grande Vague-Sete, circa, 1855"albumen print(鶏卵紙)がStg507,500.(@170 \86,257,000.) で落札され、写真オークション史上、一枚もの作品の最高値を記録しました。 今回の写真展ではギュスターヴ・ル・グレイのこれと同じイメージの作品が"Marine"1856のタイトル表示で展示されています。 この作品が落札作品と同じ価値かどうかは、状態などが 異なるので判断は困難です。しかし世界一高価な写真がどのような作品かを知るだけでも見る価値があります。

重要な作品はそれだけではありません。 90年4月11日の朝日新聞に都写真美術館の作品収集に関する記事があります。その中に今 回展示されていた作品を含む幾つかの作品の購入価格が公開されていました。海外作品の 一番高価な作品はカーペンター博士の”ウニの突起の断面”1848-1849年ダゲレオタイプ で1、380万円、タルボットの世界最初の写真集”自然の鉛筆”1844年24点セットで1、570 万円、マン・レイ”無題”1926年レイヨグラムが570万円と報道されています。当時は高価 ではないか、という批判もあったようです。しかしそれから10年、オリジナルプリント市 場は大きく成長しました。特に19世紀の作品は上記のオークション例のように非常に高価になっています。 現在では間違いなく、当時の値段で購入することは不可能な歴史的に貴重な逸品ばかりです。 その上、今回の写真展では20世紀の有名作家の作品も、今や貴重なビンテージプリント を中心に展示されています。 日本にこれだけ秀逸な作品が揃っていることは、世間一般の美術写真に対する認識の低さからして驚異 でさえあります。美術写真愛好家なら、何度訪れても新しい発見がある写真展だと思います。
同美術館でのアーヴィング・ペンの写真展に行かれる予定の方は、この写真展も見逃さないで下さい。

内容の解説は無料のブックレットに詳しく丁寧に書かれています、是非そちらをご参考 になってください。

参考:次回予定
   2000年1月28日〜00年4月6日  第4部アメリカの写真(仮称)


写真展ガイド
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