Birth of the Cool: 1957-1969

Viking, 1999

David Bailey(デヴィッド・ベイリー)


60年代のイギリスロックや当時のポップカルチャー、ファッションが好きな方には最高の写真集です。 デヴィッド・ベイリーのベストの時期のベストの作品が収録されています。彼の写真集はテーマ製のある ものまで多数出版されていますがこの写真集は始めての方にもお勧めです。ミュージシャンのポートレートのみに興味のある方には"David Bailey's Rock and Rock Heroes" Thames and Hudson 1997の方がペーパーバック版もありますが、現在は絶版のようです。

この写真集は彼のデビュー前の1957年から1969年までの写真を初めて1冊にまとめたものです。 初期の写真からアシスタントを経て人間関係の広がりとともに実力をつけ、 どんどん腕を上げて、名作が出来る過程が年代順に収められています。
写真のセレクションは戦後のファッション写真の写真展”アピアレンセズ”を企画したマーティン・ハリソン氏 です。ローリング・ストーズ、ビートルズ、有名モデルをとらえた有名イメージの他に、未公開のドキュメンタリー写真や プライベート写真も収録されています。
ハリソン氏の写真の分析も読みごたえがあります。ベイリーの写真はよくアヴェドン、ペンに似ているという 指摘があります。しかしハリソン氏は彼らの写真はそれぞれ全く違うと指摘しています。 確かにライティングやスペースの使い方に似ている点はあります。 しかしベイリーの写真にはペンのような完璧なフォームはないものの、バリエーションは 非常に豊富で、独自の自然さと近づく易さがあると解説しています。 また彼とモデルとの近しい関係が他のファッション写真にない親しみのある、近づきやすい イメージにしていると書いています。写真集をお持ちなら、ぜひペン、アベドンの同時期のファッション写真と 見比べてみてください。

ちなみにベイリーはクール・ジャズが大好きでチェット・ベイカーみたいにスマートにトランペットを吹きたかった そうです。ジャズの代りに彼はイギリスで受け継がれているクール写真の創始者になったのです。 写真集のタイトルはマイルズ・デイヴィスの同名のアルバムを意識して、そのような理由からつけられた そうです。

デヴィッド・ベイリー プロフィール