Nan Goldin: The Other Side

Steidl, 2019

Nan Goldin(ナン・ゴールディン)


ナン・ゴールディン(1953-)は、ワシントンD.C.出身の米国を代表するアーティスト。10代の時に写真を撮りはじめ、ニューヨーク、ボストン、ロンドン、ベルリンと移り住み、カメラを日記代わりに、友人、恋人などとの関係や出来事をドキュメントし続けました。彼女の作品には、家族像の変換、家庭内暴力、薬物乱用、性的依存や倒錯、エイズなど、80年代以降の時代性が反映されおり、現代人の多様な生き方をパーソナルな視点から表現ている点が世界的に評価されています。いまでは、作品は美術館、ギャラリーで展示されており、ホイットニー美術館ニューヨーク(1996年)、ポンピドー・センター・パリ(2001年)で回顧展を開催。2007年にはハッセルブラッド国際写真賞を受賞しています。

本書は、ゴールディンによる影響力のある写真集「The Other Side」(オリジナル版/1993年刊行)の改定拡大版。本人の紹介文も改定されています。同書は、社会的、文化的に意味づけられてきた男女の差異や性の方向性の論議が大きく進展していた時期に刊行。この新しい視点が進行する過程をたどって伝えています。最初の写真は、1970年代に彼女がボストンでドラッグ・クィーンの仲間と同居していて、彼らの魅力と傷つきやすさをドキュメントしていたときのものです。1980年代はじめ、エイズが彼女のコミュニティを壊滅させ始めたとき、ゴールディンはニューヨークでトランスジェンダーの友人たちの生活を記録し続けました。1990年代には、彼女はドラッグの急激な増加をニューヨーク、ベルリン、バンコク、フィリピンで、社会現象としてドキュメント。ゴールディンの最新作は、彼女の最愛なる何人かの友人の親密なポートレートです。本書は彼女が愛していた女神たちに敬意をあらわすものです。そして、過去40年の間に彼女はそのうちの多くの人を失いました。「この本は美しさについて、そして私の友人たちへの愛についての本です」と、彼女は語っています。

ハードカバー: 140ページ、サイズ 22.9 x 27.3 cm、
カラー約100点/モノクロ約30点の図版を収録。