Richard Prince: Cowboy

Prestel, 2020

Richard Prince(リチャード・プリンス)


リチャード・プリンス(1949-)は、アメリカの画家、写真家、アート・コレクター。70年代後半よりアメリカのポップ・カルチャーの膨大なイメージの中から象徴的、神話的なものを引用し、それらの写真を再び撮影して新たな作品を制作するアーティストとして知られています。
特に1980年から続くカウボーイ写真の「マルボロ・マン」や、「ナース」シリーズの絵画は代表作です。当初は、複写作品のオリジナル性や著作権への疑問も聞かれましたが、いまでは過去30年で最も革新的なアーティストと評価されており、主要作品は現代アート・オークションでも高額で落札されています。
2007年にはニューヨークのグッゲンハイム美術館で回顧展を開催。最近では、他人のインスタグラム写真から制作したインスタグラム・ペインティングが論議を巻き起こしています。
1970年代中盤、プリンスはタイム社に努める野心的な画家でした。彼は雑誌ライターに切り抜きを提供する仕事を行っていました。記事を切り抜いた後には、日用品、モデル、大衆の欲望を掻き立てる商品などを紹介する、光沢がある広告写真が残されていました。彼は広告写真をカメラで複写し始め、それをトリミングし、さらに拡大してして、自分のアート作品として売り始めました。彼は特にカウボーイのモチーフに強い関心を持ちました。それらは時にマルボロ・タバコの広告写真で描写されていたものでした。彼による、作品の中に過去の写真などの著作物を取り込むアプロプリエーション・アートは、アート界に多大なインパクト与えました。それらは、訴訟を引き起こしたり、現代アート系オークションで落札最高額記録を作りました。
最近では、彼は新シリーズ制作のために、現代のテクノロジーを用いて1980~90年代の雑誌タイムを再び見直しました。彼のカウボーイへの思い込みをインスタグラム時代まで押し広げ、広告の持つ真実性、アプロプリエーション力、独創性がかつてと同様に非常に高いことを指し示そうとしています。

本書では、プリンスが過去40年間に製作したアートワークで、彼がどのようにアメリカ西部の神話を見つけ出してきたかを紹介しています。それぞれの章では、最初に短いイントロダクションがあり、プリンスの作品が紹介されます。最後には、プリンス作品の文脈の理解を手助けしてくれる、様々な断片、残存物、関連する一時的筆記物などが含まれます。プリンスは本書で写真撮影の従来の限界に改めて挑戦し、40年前にカウボーイと西部を通して引き起こした論争を再燃させようとしているのです。

ペーパーバック: 480ページ、サイズ 23 x 3 x 30.6 cm、
約573点のカラー/約173点のモノクロ図版を収録。

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リチャード・プリンス プロフィール