Unconscious Places: Thomas Struth

Prestel, 2020

Thomas Struth(トーマス・シュトゥルート)


トーマス・シュトゥルート(1954-)は、ゲハルト・リヒターから絵画、ベッヒャー夫妻から写真を学んだドイツのデュセルドルフ美術アカデミー出身のアーティスト。70年代後半に写真に取り組み始めてからから「街路」、「ポートレート」、「美術館」、「パラダイス」など、数々のシリーズを発表。特に彼のカラーの巨大作品は新しい写真の流れとして、美術館やアート市場で高く評価されています。日本でも2000年秋に東京国立近代美術館で展覧会が開催されました。

シュトゥールートが、その比類なきスタイルで1970年から2010年までに世界各地のストリート・ビューを撮影した代表的のシリーズが、コンパクトなペーパーバックの新版としてまとめられました。本書で、シュトゥールートはエディンバラ、リマ、平壌、ナポリ、ニューヨークなどの都市の街並みを紹介。彼は、いずれも人間の営みがない状態で撮影。これらのありふれた建物、人通りのない通り、特徴のないファサードを、シュトゥールートは「Unconscious Places(無意識の場所)」と呼んでいます。見る者だけがその環境に意味を与えるという趣旨です。これらの作品は、卓越した技術力を駆使し、力強く、抑制された中立性を持って表現されています。上を通るの電線から下にある舗道まで、都市の特徴を完全に認識することを可能にしてくれます。彼は 本シリースを、"都市の象徴的な写真:より一般的な性質を持ち、一枚の写真の中でより叙事詩的な物語を提供できる作品" と語っています。著名な社会学者リチャード・セネット氏の啓蒙的なエッセイは、シュトゥールートの冷静で明晰な写真が、どのようにビューアーに見え方を強いるのではなく、自らによる解釈に導いているかを明らかにしています。撮影者、ビューアー、ランドスケープの相互作用が、建築が私たちの日常生活にどのような影響を与えるかを理解する鍵を握っているのです。

ペーパーバック : 264ページ、サイズ 23.5 x 2.69 x 24.61 cm、
約228点のカラー/モノクロ図版を収録

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トーマス・シュトゥルート プロフィール