Luigi Ghirri: Cardboard Landscapes:
Photographs from 1971-73

Museum of Modern Art, 2020

Luigi Ghirri(ルイジ・ギリ)


ルイジ・ギリ(1943-1992)は、イタリアの著名なアーティストです。1970年頃からカラーのスナップ的作品を制作開始、1978年に初の写真集『コダクローム』を発表。1980年以降は風景や建築などのカラー写真で、虚構と現実の境界線を問う概念的な枠組みの活用を続けました。若くして亡くなったことから世界的には知名度は低いものの、米国でニューカラーやニュー・トポグラフィクスが登場する以前から、同様の感覚を持つ写真を撮影していました。いまでは彼のカラー作品は世界中で知られるようになり、作家性が高く評価されています。写真集の再版も相次いでいます。

1970年代前半、彼はヨーロッパを旅しながら「カードボード・ランドスケープ(Paesaggi di cartone)」という作品を制作していました。彼は平凡なものにひそむ特徴を見つけて証明するというユニークな芸術的アプローチを、「センチメンタル・ジオグラフィー」という言葉で表していました。手作りのオリジナルアルバムは、ブランクの本のページに発色性のあるカラープリント約111点が貼り付けられたものでした。
1975年3月、ニューヨークを訪れた著名な美術史家アルトゥーロ・カルロ・キンタヴァル(Arturo Carlo Quintavalle/1936-)が、このギリのユニークなアルバム作品をニューヨーク近代美術館(MoMA)の当時の写真部門のディレクターだったジョ・シャーカフスキーに手渡しています。その後、40年近くものあいだこの作品は部門の人目のつかないところに保管されていました。

このたびアルバム全体が一つの作品でもある「Cardboard Landscapes」が初めて出版されました。収録作品は、ギリの全作品の中では異例のものです。彼の最もよく知られているような壮大な絵画的なものではなく、複雑な構図が優先されています。彼は印刷されたイメージを被写体とし、写真や広告を万華鏡のようにフレーミングし、地域文化、個人の視点、大衆文化が反映された詩的かつ視覚的な物語を紡ぎだしています。本作では自身のメディアの中での役割を探求したいという、彼の魅惑的衝動を明らかになっています。
この豪華な復刻版は、すべての重要な部分までをオリジナル・アルバムに忠実に再現しています。写真史におけるギリの重要性が認識されつつある時期に、彼の単体で知られざる作品を初めて一般に公開するものです。

ハードカバー : 105ページ、サイズ 24.77 x 1.91 x 24.77 cm、
約111点の図版を収録。

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