Cindy Sherman Centerfold
(Untitled #96)

MoMA, 2021

Cincy Sherman(シンディ・シャーマン)


シンディー・シャーマン(1954-)は、現代アメリカアート界を代表する有名アーティストです。長年に渡り、メディアや社会が作り上げた女性の固定観念を自らがモデルに扮したセルフ・ポートレートで作品化しています。1995年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)が彼女の初期作品「Untitled Film Stills」シリーズのモノクロ作品69点を約100万ドルで購入し話題になりました。アート市場でのコレクター人気も高く、2011年にはクリスティーズ・ニューヨークのオークションで <<Untitled #96>>が389万ドルで落札されています。2012年2月から6月にかけてニューヨーク近代美術館(MoMA)で大規模な回顧展を開催しています。

1981年、シャーマンは、影響力のあるアート雑誌「アートフォーラム」の特別企画に参加するよう依頼され、見開き2ページを与えられました。彼女は、ポルノのセンターフォールドをテーマに、12枚の大判横長作品を制作しました。それらはシャーマン自身がさまざまな若い女性に扮し、しばし寝そべって、空間を見つめ、メランコリックな思いにふけってるようなイメージでした。彼女は同作を次のように説明しています。「何か淫らなものを期待して雑誌を突然に開いた男性が、それを見て自分が暴行者であるかのように感じてほしかったのです」どの写真もヌードではないし、露骨に性的なものでもありません。しかし、これらはポルノのセンターフォールドを見るときの意識的または無意識的な思い込みや衝動を鑑賞者に問いかけることを意図していたのです。1980年代には、印刷物は男性の想像力をかき立てるフォーマットであったかもしれません。現在では、ポルノが紙媒体からデジタル・プラットフォームに移行して同じように存在しているのです。シャーマンの「センターフォールド」は、当時としてはあまりにも挑発的でした。編集部は世の中に誤解されることを恐れて出版しませんでした。しかし、シャーマンは同シリーズをファインアート作品として展開させ、<<Untitled #85 - #96>>という12作の大判カラー作品が生まれたのです。
サンフランシスコ州立大学の美術史教授であり、スクール・オブ・アートのディレクターでもあるグウェン・アレンは、同シリーズの中で最も象徴的な作品の<<Untitled #96>>を本書で取り上げています。この作品では、シャーマン扮する若い女性がオレンジ色と黄色のビニール製の床に仰向けに横たわり、新聞紙の切れ端を握りしめています。アレンは、シャーマンの「センターフォールズ」の制作と批評家の受容を、ポルノグラフィー、ジェンダー、表現の駆け引きの関係性から考察しています。

ペーパーバック : 47ページ、サイズ 18.2 x 23 cm、
35点の図版が収録されています。

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シンディ・シャーマン プロフィール