Robert Frank:
Trolley-New Orleans

Museum of Modern Art, 2021

Robert Frank(ロバート・フランク)


ロバート・フランク(1924-2019)が、1955年に撮影した「Trolley-New Orleans」は、1950年代のニューオーリンズに残るアメリカの人種隔離を提示した象徴的イメージです。フランクは、長期にわたる全米旅行の最中に、大勢の人々が歩道に群がる賑やかなニューオーリンズのカナル・ストリートで通り過ぎるトローリーにカメラレンズを向けてシャッターを切りました。彼は一回のシャッターで、鮮明な写真の撮影に成功。それは路面電車の乗客を囲むように窓が並んでいて、前方に白人、後方に黒人が乗っているイメージです。
フランクは、ワークシャツを着た疲れた様子の黒人男性や、彼の目の前に座っている人種ごとに区分エリアを示す木製看板に手をかけている若い白人女性など、長方形の窓越しから外を見つめる個々の表情を捉えました。1958年、フランクは「これらの写真で、私はアメリカの人々の断面を見せようと試みました。私が心がけたのは、それをシンプルに混乱なく表現することでした」と書いています。ニューオーリンズの路面電車とバスでは、1958年の裁判所の命令で人種差別撤廃が行われました。しかし1959年にアメリカで出版された写真集「The Americans」の表紙にはこの写真が掲載されています。当時はまだ人種差別的内容を含むジム・クロウ法の勢いは強く、1960年代の公民権運動の闘いはまだ先でした。
「MoMA One on Oneシリーズ」のこの巻では、同館キュレーターのルーシー・ガランによるエッセイが、フランクが帰化した国を象徴的に描いた「The Americans」の文脈の中で、また1950年代、60年代の他の写真との関連で、この写真作品を改めて探求しています。「Trolley-New Orleans」のような写真が、アメリカにおける人種的正義のための継続的な戦いにおいて重要な役割を果たしている事実を明らかにしています。

ペーパーバック : 47ページ、サイズ 18.5 x 23 cm、多数の図版を収録。

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