Steel Town

Mack, 2021

Stephen Shore(スティーブン・ショア)


スティーブン・ショア(1947-)は、ウィリアム・エグルストンとならぶニューカラーの代表的写真家の一人です。1970年代から米国中を旅行して何気ない現代のアメリカンシーンを撮影。主要な作品プロジェクトに、35ミリカメラで撮影した写真によるロードムービー的な作品の"American Surfaces"、大型8X10 ビューカメラによる"Uncommon Places"があります。アンドレアス・グルスキーやトーマス・スュトルートなどの若手現代アーティストに多大な影響を与えたことで知られています。

1977年、スティーブン・ショアは、後に「ラストベルト」と呼ばれるようになる産業衰退の真っ只中にあるニューヨーク州、ペンシルバニア州、オハイオ州東部を訪れました。ショアは、工場閉鎖で仕事を失った鉄鋼労働者たちと出会い寂れた工場、寂れたバー、衰退したハイストリート、そして愛情を込めて飾られた家など、突然壊れてしまった彼らの世界を撮影しました。これらのイメージの中には、かつて繁栄していた米国の中流階級が、悲惨な衰退の崖っぷちに立たされている姿があります。希望と絶望の両方が、店先や家の中、そして4x5インチのカメラを前にした人々の苦悩に満ちた表情の裏に混在しています。
本プロジェクトは、もともとはウォーカー・エヴァンスの流れを汲むフォーチュン誌の写真レポートの拡大版として依頼されたものでした。ショアによる多面的な調査は、時間と共に政治的重要性を増していきます。労働者、組合員、家族など、ショアーが撮影した人たちは、訪問の前年の1976年に民主党のジミー・カーターに投票していました。しかし、彼らは既に新大統領に幻滅していることがわかります。彼らは次回の大統領選では民主党を捨てて、共和党を支援する「レーガン・デモクラッツ」となる運命にあるのです。
この写真集は、世界的な巨匠が撮影した魅力的な写真の数々で、私たちの生活に今まで以上に重要な意味を持つ時代と場所を、臨場感たっぷりに描いています。

ハードカバー:104ページ、サイズ 23.5 x 30cm、
多数の図版を収録。

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スティーブン・ショア プロフィール