Puglia. Tra Albe e Tramonti

Mack, 2022

Luigi Ghirri(ルイジ・ギリ)


ルイジ・ギリ(1943-1992)は、イタリアの著名な写真家です。1970年代から1980年代の短いキャリアを通して、多くの驚異的なプロジェクトを追求。1992年にわずか49歳で心臓発作で亡くなりました。
ギリの写真作品は、自由でとりとめがないことで知られてます。また彼が生きていた、地域性が急激に失われ大衆文化が台頭した時代への、興味と危惧が反映されていました。
米国でニューカラーやニュー・トポグラフィクスが登場する以前から、同様の感覚を持つ写真を撮影していたのです。全ての分野の創作に興味を持ち、静物画で知られる画家ジョルジョ・ モランディや建築家アルド・ロッシとも共同に仕事を行っています。若くして亡くなったことから、当初は彼の写真は欧州以外では知られていませんでした。今では世界的なカラー作品の再評価の流れの中で、その作家性が高く評価されています。

本書のタイトル"Puglia. Tra albe e tramonti"は、"プーリアの、日の出と日没のあいだに"という意味。プーリア州は南国らしい白い町並みで知られる南イタリアの人気観光地です。この地はギリのキャリアにおいて極めて重要な場所であり、その後も彼に様々な創作上のインスピレーションを与え続けてきました。彼は1982年に初めてプーリア州を訪れ、白壁の街並み、輝く夜、ドアやアーチ、サボテンの鉢植え、遊園地、ビーチなど撮影しています。またここでは、後に彼の親しい友人や共同制作者となるアーティスト、批評家、学芸員たちとの出会いがありました。その後の10年間、ギリは毎年のようにプーリア州を訪れます。彼は写真を撮り、展示しながら、この地への理解を深めていきます。本書収録のほとんどの写真は、あまり知られていない未発表作です。そこには、明るい太陽の白い光と感動的な影、日が暮れてからのネオンや街灯が放つ別世界のオーラなどが表現されています。ギリの写真は都市生活の質感とリズムをとらえており、それを通して私たちは視覚的な偶然性と触覚的なディテールを楽しむことができます。何気ないビジュアル上の発見と、それらが撮影されたカラーフィルムにより、人気行楽地であるこの地域のアイデンティティが温かく表現されています。ギリは、南イタリア独特の光が降り注ぐ映像の中で、住民や観光客が残した痕跡を通して、古代にアプリアと呼ばれていた地方をマッピングしているのです。
本書は3つのセクションで構成。メインとなるのは、1982年から1990年の間に撮影された約200枚の写真で、それらは1ページに1枚ずつ掲載されています。次にギリの写真とその業績を説明する、アデル・ギッリ(Adele Ghirri)と、アルトゥーロ・カルロ・クインタヴァッレ(Arturo Carlo Quintavalle)によるテキストが掲載。最後のセクションには、写真家が初期の写真展のために編集した100枚のサムネイルのシリーズも収録。ギリのオリジナルの写真の配列は興味深く、写真に対するより物語的なアプローチが提示されています。

ハードカバー: 288ページ、サイズ: 22.5 x 25.5cm、
多数の図版が収録。

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