Floridas

Steidl, 2022

Anastasia Samoylva(アナスタシア・サモイロワ)
Walker Evans(ウォーカー・エバンス)


米国の東南部に位置するフロリダは、気候が温暖なことからサンシャイン ステートと呼ばれています。湿地帯の楽園、観光客の憧れ、不動産業の活況、政治的な接戦州など、独自の自然や文化を持つユニークな土地として知られています。また、最もとらえどころのない、誤解されやすい場所でもあります。

本書は、ウォーカー・エヴァンス(1903-75)と、アナスタシア・サモイロワ(Anastasia Samoylova/ 1984-)という、異なる時代に生きた二人の写真家による、フロリダの過去と現在を語るフォト・ダイアログです。
ウォーカー・エバンスは、アメリカ現代写真の先駆者といわれる写真家。彼のパーソナルな視点で撮影された写真はアート作品として評価されるようになり、その後の現代写真、映画を含も幅広いヴィジュアルアートに多大な影響を与えています。また彼の写真は、多くのアメリカ人が無意識的に抱くアメリカの原風景と重なるといわれています。
アナスタシア・サモイロワ(Anastasia Samoylova/ 1984-)はモスクワ出身でマイアミ在住の写真家/アーティスト。海面上昇問題への対応に取り組んだプロジェクトの「Flood Zone」(Steidl、2019年刊)などで知られています。

エバンスは、40年以上にわたってこの地を撮影してきました。1930年代、彼はさまざまな文化が混ざり合い、観光化の波が押し寄せるモダンなフロリダを目の当たりにしました。彼は荒涼とした美しさとあからさまな下品さが混在するフロリダを1970年代まで撮影を続けました。一部作品は当時は現代的だったポラロイド写真が使用されています。
一方、サモイロワはロードトリップを通してフロリダを集中的に撮影しています。彼女はエバンスの視点を受け継ぎ、知性とユーモアをもって、現代アメリカの矛盾を象徴する場所の魅力と失望を表現しています。視覚的な常識を覆すこの2人の観察眼は、フロリダの幻想と現実のめまぐるしい組み合わせを見る側に伝えています。

本書では二人の写真が並行して紹介。ページ展開の中で、過去と現在のイメージと、モノクロとカラーが織り交ぜられています。エッセーは編集者のデヴィッド・キャンパニー(David Campany)が担当。フロリダ在住の著名作家ローレン・グロフ(Lauren Groff)による幻想的な短編小説も収録されています。

ハードカバー ‏ : ‎ 179ページ、サイズ ‎ 30.48 x 2.54 x 26.04 cm、
約144点の図版ヶを収録。

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ウォーカー・エバンス プロフィール