100 Suns

Knopf; American版, 2003

Michael Light(マイケル・ライト)


1945年から1962年まで米国が行なった核爆発実験の写真が編集されたものです。冷戦時代に続けられた米ソ超大国の核実験は1963年の実験部分禁止条約締結まで行なわれました。それ以降は地下実験が続けられています。
国立公文書館、ロス・アラモス国立研究所に保管されていた、かつての機密書類から、著者のライト氏が100点の写真をセレクションしています。多くの写真は“きのこ雲”など爆発自体を写していますが、兵士が爆発時に塹壕の中でちぢこまっていたり、ゴーグルをかけて爆発を観察している人々のシュールな映像も含まれています。

実はこの写真集はNASAの記録写真をまとめた写真集“Full Moon”に次ぐ2作目のプロジェクトです。ライト氏は、アポロ計画や核実験の写真は、すべてが公共物で、元々がファインアートではなく、人類の科学進歩の偉業の記録である点が共通であると分析しています。そして“100 SUN”収録作品は人類にとっては、ニューメキシコ、ネバダ、太平洋の風景画でもあると語っています。
彼はこれらの仕事を通じて、再びテロで不安定な社会に平和を訴えかけるとともに、一人の人間では表現しきれない人類の大きなプロジェクトを、新たな視点から表現しようと試みているのです。