Robert Weingarten, 6:30 A.m.

Hatje Cantz Pub, 2005

Robert Weingarten(ロバート・ワインガーテン)


ロバート・ワインガーテン(1941-)はニューヨーク出身。30年以上金融関係の仕事を行った後、54才のときに写真家に転じたユニークなキャリアの持ち主です。それ以降、欧米の風景やアーミッシュを撮影した作品で50回以上の個展を世界中で開催しています。主要作品はメトロポリタン、ホイットニーなどの主要美術館にもコレクションされています。

2003年の1年間、彼は自宅の寝室から見えるサンタモニカ湾南東方向の風景を定点から毎朝6時30分に撮影するプロジェクトに取り組みます。彼は撮影条件をできる限り一定にして風景の変化を的確にとらえようとします。全ての写真はプロジェクト開始時に一括購入し保存されたフィルムを使用し、同じレンズ(350mm)、絞り、フォーカスで撮影されています。変動要素は撮影時の明るさにより変わるシャッター・スピードのみだったそうです。しかし全く同じ条件で撮影された、海洋、ビーチに広がる細かな建物、空港などが見渡せる風景が、季節、天候、視界の変化で全く異なる色彩や表情を見せてくれます。光の効果を意識した鮮やかなカラーイメージは19世紀にアメリカで最初に風景画を描き始めたハドソン・リヴァー派や抽象画やリアリズム絵画を思い起こさせます。またこの制作方法は、繰り返し同じ風景を定点観測的に描き続け、時間、空気により変化する風景を誠実に見つめ続けたクロード・モネの伝統も感じ取れます。
全120ページ、撮影年月日が記載されているカラー50点が収録されています。見る人が意識すれば、普段見慣れた自然の中にも日々新鮮な驚きを発見できること教えてくれます。