Art Photography Now

Aperture, 2005

Susan Bright(著)


報道、広告、スナップ、アートなど幅広く利用される写真はその分野により価値基準が違います。 それゆえ全体像が非常に掴みにくいメディアと考えられています。20世紀後半に写真はやっとアートとしての地位を確立し、世界中の美術館、ギャラリーで展示、コレクションされるようになります。写真の価値も上昇し、作家の地位も大きく向上しました。21世紀になりデジタル技術が写真表現に導入されるようになり、また現代アート分野のアーティストの中心的な表現手段になりました。写真はいま新たな変革期を迎えているといわれています。

この本は、ますます多様化し、的確に捉え難い現代のアート写真を、ポートレート、風景、物語風、オブジェクト、ファッション、ドキュメント、都市の7つのカテゴリーのテーマに分類して解説しています。著者によると、表現方法、カテゴリーではなく、見る側に興味、賞賛、探求心などの知的コミュニケーションを呼び起こす写真を制作するアーティストを選んだそうです。
紹介されている作家は、アンドレアス・グルスキー、トマース・シュトルート、シンディー・シャーマン、ソフィー・カル、ウォルフガング・ティルマンズ、ナン・ゴールディン、マーティン・パー、フリップ=ロルカ・デコルシア、ニック・ナイト、マリオ・ソレンティ、畠山直哉など78人。約260点のイメージが収録されています。多様化する現在のアート写真の最前線を知るには最適の入門書です。巻末に収録作家の写真集リストや収録イメージの詳細も掲載されています。

著者のスーザン・ブライトは元ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーのキュレーターです。