Then & Now: Ed Ruscha:
Hollywood Boulevard, 1973-2004

Steidl;Slp版, 2005

Ed Ruscha (エド・ルシェ)


アーティスト、映画製作者として知られる、エド・ルシェは1937年オマハ(ネブラスカ)生まれ。1956年から1960年までロサンゼルスのシュイナード美術大学で学んでいます。60年代前半には西海岸のポップアート・ムーブメントのなかで絵画、コラージュ、版画が知られるようになります。1963年の初個展以来、多方面分野で世界的に活躍している米国人アーティストです。

1962から1978年にかけて、エド・ルシェは自らがデザインした18のアーティスト本を自費出版しました。これら発行部数の少ないコンパクトな本は、コンセプチュアル・アートと写真集の歴史における影響力のある作品となります。 初期作品のなかで最も有名なのが、1000部限定の"Every Building on The Sunset Strip"(1966年刊)です。これは、ロサンゼルスのサンセット大通り沿いの左右の全ての不動産・建物を客観的に写真撮影し、偶数番地を上部に、奇数番地を逆さに下部にレイアウトし、アコーディオンのひだ状のパノラマページで見せた驚きの写真集でした。イルフォードFP-4というモノクロ・フィルムを使用し、モータードライブ付きニコンF2をピックアップに三脚で固定して撮影は行われたそうです。 アーティストブック制作のために写真撮影を行うという、彼の現代作家的な写真への関わり方は多くの若手アーティストに影響を与えました。
1973年に彼は同じ手法で、今度はハリウッド大通りを撮影します。コンタクトシートまでは制作されましたが、作品は長らく仕舞い込まれていました。
30年後の2003年にハリウッド大通りのデジタルによる記録が行われます。ほぼ同じ機材を用いて、今度はカラーネガにより制作されました。これら2つのプロジェクトで 撮影された4500のモノクロと13000のカラー写真は、すべてスキャニングされデジタル処理がなされました。そして12マイルにおよぶ通りの街並みは、4つの長いパノラマイメージにに再構成されました。 オリジナルの1973年の道路北側は、ページ上部に沿って示されて、下に最新版が並置されます。ページの下部分に沿って、1973年の道路南側が逆さまに表され、最新版が並置されています。

本書は、ルシェが1978年以降に初めて制作したアーティストブックです。アーティストが長いキャリアをかけて成し遂げた真にオリジナルなプロジェクトです。 "感情がはいらない、非常に民主的な世の中の断片記録だ"と彼は語っています。