Life As a Night Porter

Twin Palms Pub, 2006

Chris Shaw(クリス・ショウ)


クリス・ショウは1961年英国生まれ。サリー・アートデザイン大学で写真と映画製作を学びます。
彼は1993年から2003年までの約10年間、ロンドンの色々なホテルでナイト・ポーターの仕事を行います。偽名を使い宿泊する客、他人の労働許可書で働くスタッフ、ホテルの制服しか見ておらず自分の存在に気付かない知人などを目の当たりにします。彼は、ホテルこそは、匿名性が横行し、また肩書きでしか人を見ない現代社会の象徴と感じます。12時間にも及ぶ夜間勤務中に覚醒しているために、彼はそこで目撃した様々な種類の人々や出来事を撮影します。疲労困憊しているときには、写真のアート性や技術経験を全く意識することなく、偶然に身を任せてシャッターを切っていたそうです。これらの夜の出来事があったからこそつらい仕事に耐えることができた、と本人は語っています。

本書には、ナイトポーター時のイメージとともに、宿泊者としてホテルシーンを撮影したものなどモノクロ64点が収録されています。 しかし、まとめられた一群のイメージは、決してホテルのドキュメントを意図したものではなく、ホテル勤務や宿泊経験から紡ぎだされた作家自身の持つ想像上のホテルイメージなのです。
"私の経験では天国も地獄も同じところにあり、どちらの世界に生きるのもあなた自身がどのような視点を持つかによるのです。"と本人は語っています。 クリス・ショー演出のイマジナリーのホテル世界の解釈は、現実と同じように読者次第ということなのです。
写真集制作に定評があるツィン・パーム社からの刊行です。