John Divola: Three Acts

Aperture, 2006

John Divola(ジョン・ディボラ)


ジョン・ディボラは1949年米国サンタモニカ生まれです。1973年ころから、ロサンゼルスの廃屋を利用した非常に独創的なシリーズの制作を開始します。
“ヴァンダリズム”シリーズは、廃屋の室内をスタジオ代わりにして、壁をキャンバスにして制作したものです。違法に室内に進入し、一種のグラフィティーのようなドット、線、格子模様などを壁面にスプレーで書きなぐり、それらをモノクロで撮影しています。
次に取り組んだのは“ロサンゼルス国際空港騒音緩和”プロジェクトです。新滑走路の騒音対策のために買い上げられた地域を撮影しています。ここでは、粉砕された窓、ヒンジから引き離されるドアなど、不法者によって暴力的に侵入された証拠の記録をクールに行います。
最後の“ズマ”シリーズは、1977年からカリフォルニアのズマ・ビーチの海沿いの廃屋を連続して撮影した作品です。 不法な侵入者たちにより荒らされた廃屋の室内に自らがペンキを塗り、それを窓越しの自然風景とともに撮影するようになります。 作家、不法侵入者、そして自然とのコラボレーション作品に仕上がっています。
彼の作品シリーズは対象を描写するという、写真の要素を超えた表現方法と評価され、80年代以降に被写体を作家自らが制作して撮影するコンストラクテッド写真の先駆的作品といわれています。
“私の行為、ペインティング、写真撮影、考えることはすべて作品の進化、変化の過程の一部です。私の参加は、どちらかというと本能的なもので、知的に考えた上での行為ありませんでした。” と本人は語っています。

ジョン・ディボラは1988年以来、カリフォルニア大学で教授を勤める一方、世界中のギャラリー、美術館で個展を開催しています。作品はニューヨーク現代美術館、メトロポリタン美術館などでコレクションされています。

本書は彼の代表3シリーズから、モノクロ約110点、カラー約50点が収録されています。