Saul Leiter: Early Color

Steidl; 第八版, 2006

Saul Leiter(ソール・ライター)


ソール・ライターは1923年ピッツバーク生まれ。父親はユダヤ教牧師でした。10代後半に芸術活動に目覚め、23歳のときにクリーブランドで通っていた神学校を辞め、絵画の道を追求するためにニューヨークへ移り住みます。 写真で実験的表現を追求していた画家のRichard Pousette-Dart、W.ユージン・スミスとの出会いや、1947年にニューヨーク近代美術館で見たアンリ・カルチェ=ブレッソン展から多大な影響を受け、写真表現に興味を持つようになります。友人となったW.ユージン・スミスはブロドヴィッチの写真集"Ballet"や自身の写真作品をライターに贈ったそうです。
ポートレートやニューヨークのストリートを撮影した初期モノクロ作品からは彼の並外れた写真表現の才能が感じられたそうです。1948年からはカラーに取り組み始めます。その後、シド・グロススマンやロバート・フランクを紹介され、やがてニューヨーク近代美術館のエドワード・スタイケンの目にとまります。1953年の同館の"Always the Young Stranger"展にカラーを含む25作品が展示されます。
1957年にエスクァイヤー誌のヘンリー・ウォルフが彼のカラー写真に興味を持ち取り上げます。その後、1958年にハーパース・バザー誌でブロドビッチの後任になったウォルフはライターを同誌で定期的に使うようになります。彼はその後ファッション、ポートレート、ストリート分野の写真に取り組み、ショウ、ヴォーグ英国版、クィーン、ノヴァなどで活躍しています。
彼は、数少ないモノクロとカラーの両分野の発展に大きく貢献した写真家と評価されています。ヴェルメールとピカソが創作アイデアの源泉である、と語る彼の抑制された色彩と抽象的なフォルムのカラー作品は、同時代の写真家ではみられない絵画的な趣があります。ロバート・フランクやウィリアム・クラインのように都市の緊張感ではなく、マンハッタンの人ごみの中で人間が織り成す静寂の瞬間を追い求めたのです。
彼の写真作品は世界の主要美術館で収蔵されているとともに、2006年秋にはミルウォーキー美術館で初めての本格的個展が開催予定です。

本書は1953年のMoMAでの展示以来、ほとんど知られることがなかったカラー作品をはじめて本格的に紹介する写真集です。1948から1960年にかけて撮影された約100点が収録されています。
2006年1月にかけてニューヨークのハワード・グリーンバーグ・ギャラリーで開催された写真展を期に刊行。序文はマーティン・ハリソン氏、約176ページ、ハードカヴァー、サイズ約20X20cm