木村伊兵衛のパリ

朝日新聞社, 2010

木村伊兵衛


木村伊兵衛(1901-1974)は1954年、1955年に長期欧州取材を行い、当時としては珍しい初期カラーフィルムでパリを撮影しました。 現地では、カルチェ=ブレッソンやドアノーとの出会いもあり、 彼らとの交流を通して多くの芸術家、文化人を惹きつけた芸術の都の魅力を感じとります。それらの写真は単なる旅行の記録ではなく、彼自身の作品となっています。
パリのカラー作品は雑誌に紹介され、また"木村伊兵衛写真集 パリ"として作家が亡くなった1974年に少部数だけ刊行さます。その後、長らく忘れ去られていたものが、2004年のアルル国際写真フェスティバルで約30年ぶりに紹介され、一躍脚光を浴びます。本書はこの幻のカラー作品170点を約30余年ぶりに最高の印刷で再現した写真集です。
解説も担当した英国人写真家マーティン・パー氏は、1974年のオリジナル版を自らが手がけた写真集ガイトブック"The Photobook: A History Volume1"でも紹介しています。"木村は当時無名だったアジェのパリの残り香を追い求めている。古い建物が崩壊し朽ち果てていくパリをノスタルジックに撮影している。カラーであることからアジェよりもロマンチックに感じられる。"と解説しています。