Nan Goldin: The Beautiful Smile

Steidl, 2017

Nan Goldin(ナン・ゴールディン)


ナン・ゴールディン(1953-)は現代人の様々な生き様を、個人の体験を通し約30年以上に渡って表現してきた作家です。彼女は姉の自殺をひとつの契機に10代から写真を撮りはじめます。10代後半には"Drag Queen"と呼ばれるモノクロ写真シリーズを制作。その後、カメラを日記代わりに、友人、恋人など親しい仲間との関係を様々な出来事とともにドキュメントしてきました。ニューヨーク、ボストン、ロンドン、ベルリンを移り住み、ドラッグによる長期療養、エイズでの友人たちの死などを乗り越えてその関係性を探求し続けています。 それは、家族像の変貌、家庭内暴力、薬物乱用、性的依存や倒錯、エイズなど、80年代以降の欧米社会の時代性が色濃く反映された作品でした。最初はクラブなどで音楽に合わせたスライドショー形式で写真を私的に発表していました。1985年にホイットニー・ビエンナーレに入り、1986年には写真集"The Ballad of Sexual Dependency"が刊行され一般に注目されます。90年代以降は知名度が世界的に高まり、作品は美術館、ギャラリーで展示されるようになります。カメラが私たちの親密な瞬間や関係を映し出し、記憶に残す手段になることを実践したことで若い世代の写真家に多大な影響を与えています。

本書は2007年のハッセルブラッド国際写真賞受賞を記念して企画され、10年後に出版が実現した写真集です。
代表作品約137点を収録しています。