When Light Casts No Shadow

Dewi Lewis Pub, 2010

Edgar Martins(エドガー・マーティンス)


エドガー・マーティンス(1977-)はポルトガル出身で現在英国に在住しているアーティストです。英国では、写真分野で最も革新的な若手の一人と評価されています。2008年にアパチャー社から刊行された写真集"Topologies"は世界中で高く評価されました。

本書は、欧州の空港をおもに夜間に撮影したシリーズを収録。彼は、歴史上、また航空史上に重要な役割を果たしている場所を選んでいます。たとえば、ポルトガル・アソーレス(アゾレス)諸島は、1970年以前の大西洋飛行では強制的な立ち寄り地であり、2回の世界大戦時には基地があった場所です。彼は、飛行場の建物、駐機場、投光照明、月明かりなどの光源を頼りに、約10分から約2時間にわたり、多重露光や長期露光で撮影しています。アゾレスでの写真は代表的なイメージです。ここは世界でも数少ない黒く塗られた滑走路が特徴。ここでの暗い滑走路と蛍光色のサインや案内表示類との関係性は本作の特徴を象徴的に表しています。このようなユニークな組み合わせによる写真は、時に空と地上が一体となって、深い奥行きとミニマムな光をもった抽象的作品に仕上がっています。また、新旧のマークが共存するようなイメージでは、時間、空間、異なる時代の重なりあいが意識されています。新作においても、これまでのシリーズ同様に、どのように受け止められるか、理解されるかを意識して制作されているのでしょう。

ハードカバー: 88ページ、サイズ270mm x 335mm、
カラー約52図版が収録されています。