The Mexican Suitcase

Steidl, 2010

Cynthia Young(編集)


2007年の12月19日に、メキシコ・シティーから3つのカードボード・ボックスが米国ニューヨークの国際写真センター(ICP)に届きました。今ではメキシカン・スーツケースと呼ばれるぼろぼろのボックスからは、なんとロバート・キャパ(1913-1954)、デヴィッド・シーモア(1911-1956)、ゲルダ・タロー(1910-1937)がスペイン内戦を撮影した126本のロール・フィルムが出てきたのです。
キャパとシーモアはマグナムフォトを設立した友人同士。タローはキャパと親しかった女性初の報道写真家。3人とも戦場で命を落としています。フィルムが撮影されたのは、1936年5月から1939年春ごろまで。 キャパのリオ・セグレの戦い、シーモアの女性が子供を看護している代表作、タローの死直前の写真などが含まれています。
これらのネガは第2次世界大戦の初めにパリのキャパのスタジオから紛失したと思われていたものでした。実は、キャパのスタジオ・マネージャーが1939年に自転車でボルドーまで運びだし、当時の駐仏メキシコ大使の所有物になったという経緯があったそうです。そして後にメキシコシティーで彼の所有物から発見されたそうです。これらは写真史上の貴重な資料の発見であるとともに、ファシズムと戦ったスペイン史上の重要な記録でもあります。

本書は、2010年にICPで開催された写真展に際して刊行。発見された4500にも及ぶネガが再現されています。ペーパーバック2分冊、全592ページ、サイズ25.4 cm x 30.9 cm 。