Boris Mikhailov: Tea Coffee Capuccino

Walther Konig; Multilingual版, 2011

Boris Mikhailov(ボリス・ミハイロフ)


ボリス・ミハイロフ(1938-)は旧ソ連時代から活躍している最も優れた写真家と言われています。約30年以上に渡りウクライナのハリコフやベルリンに在住して作家活動を行っており、特にソ連崩壊後は作品が世界的に紹介されています。
ミハイロフは28歳の時にエンジニアの仕事をしながら写真を独学で学びます。女性ヌード作品がきっかけで解雇され、写真家のキャリアを開始します。彼はコンセプチュアル・アートとドキュメンタリー写真の影響を受けており、写真は社会と人間の関係を見る側により理解してもらうために使われるべき、という考えで活動しています。ソ連邦崩壊後の経済や社会状況の激変が個人にもたらす影響や問題点をテーマに 「ケース・ヒストリー(Case History)」(Scalo 1999年刊)などを発表。2000年にはハッセルブラッド賞を受賞しています。

本書のタイトルは、20年以上前のソ連時代のウクライナでは、レストランやカフェでウェイターは 「tea or coffee?」と聞いていたのが、西洋資本主義の影響を受けた現在は「tea, coffee, cappuccino?」 と聞くようになったという、日常生活の変化からつけられたとのこと。ミハイロフの新シリーズでは、彼の生まれ故郷のウクライナの北東ハリコフでのこのような変化に注目しています。この地でも高度消費社会の波が到来してカラフルで大きな看板やビルボードが氾濫しています。しかし、オレンジ革命と言われる改革の恩恵を受けているのは少数の人たちで、現在の経済は疲弊しています。 "写真の中でみじめさを見つけた時だけ、人々はストリートでの実情に気付く。"とミハイロフは記しています。約200余の作品で彼はこの街に住む人々のありのままの痛みを、正直に撮影しています。

ハードカバー: 240ページ、サイズ約29.4 x 21 x 2.8 cm、
約200点の図版を収録。