Lee Friedlander: The New Cars 1964

Fraenkel Gallery, 2011

Lee Friedlander(リー・フリードランダー)


1964年にハーパース・バザー誌の二人のアートディレクター、ルース・アンセル(Ruth Ansel)とベア・フェイトラー(Bea Feitler)は、雑誌やジャズのレコードジャケットの仕事をしていた当時29才の写真家リー・フリードランダー(1934-)に当年イヤーモデルの新車撮影を依頼します。60年代のアメリカでは3大メーカーが激しいシェア競争を行っており、現在とは違い社会の新車への関心は非常に高いものでした。しかし、フリードランダーはそのような状況を考慮しないで、あまり魅力ある場所での撮影を選びませんでした。
彼が新車を撮ったのは、近くのハンバーガー屋、大衆向けの家具店や美容院、そして極め付きは中古車展示場でした。また、自動車の一部だけしか写っていないような写真もありました。
フリードランダーは、"私は新車を台座の上でなく、社会の中に置いただけだ"と語っています。それらの写真は、いまやアーティストとして高い評価を得ているフリードランダーらしいイメージばかりです。しかし当時の雑誌編集長は写真家の意図を理解できず、逆に自動車メーカーが雑誌広告を思いとどめるのではと懸念します。結果的に、ギャラは支払われるものの、彼の写真は長らく忘れ去られていました。

本書により、1964年製のクライスラー、ビュイック、ポンティアック、キャデラックとともに、当時のアメリカの気分と雰囲気が現代に蘇りました。ハードカバー: 72ページ、サイズ30.7 x 25.1 x 1.5 cm、モノクロ約33点の図版が収録されています。

リー・フリードランダー プロフィール