Joel Meyerowitz: Morandi's Objects

Damiani Editore, 2016

Joel Meyerowitzジョエル・マイロウィッツ


ジョエル・マイロウィッツ(1938-)は、ウィリアム・エグルストン、スティーブン・ショアとならぶ、60~70年代アメリカで一世を風靡したニュー・カラーの主要写真家です。代表作に、米国マサチューセッツ州東端のコッド岬の風景を8X10インチの大型カメラで撮影した"Cape Light"(1978年刊)があります。また2001年の同時多発テロの舞台になったニューヨークのグラウンド・ゼロも果敢に撮影。彼の約50年以上にもおよぶ業績は高く評価されおり、作品は世界の主要美術館でコレクションされています。

2015年春、マイロウィッツは20世紀美術史において最も重視されるイタリア人画家の一人であるジョルジョ・モランディ(Giorgio Morandi, 1890-1964)のオブジェ類をイタリア・ボローニャのアトリエで撮影します。モランディは、終生にわたり自身のアトリエで、卓上のオブジェと風景のテーマに取り組み、自己の創作の可能性を探求した画家です。多くの写真家が彼とそのスタジオを撮影しており、特に1989年にイタリア人写真家ルイジ・ギッリ(Luigi Ghirri, 1943-1992) が撮影したアトリエの写真は有名です。
マイロウィッツは、画家が40年以上にわたり静かに作品を描き続けてきた実際のテーブルの前に座り作品制作。その場所で、モランディが描いた約260点のオブジェを繰り返し、見て、触って、探求していきます。部屋の自然光だけをたよりに、花瓶、貝殻、色が付いたビン、花、缶詰、ろうと、じょうろ、などを撮影しています。それぞれの被写体のオブジェ類は、今でもモランディの机上に残っているマークに合わせて設置されています。背景の壁紙も、年代経過でやや変色し傷んでいますが当時のままです。
これらの写真作品は、モランディが簡素なオブジェ類から繊細で眩い絵画を描きだした創作行為の本質を見通しているといえるでしょう。

ハードカバー: 116ページ、サイズ 32.6 x 26 x 2 cm、
約65点の図版を収録。

ジョエル・マイロウィッツ プロフィール