自然の鉛筆

赤々舎, 2016

William Henry Fox Talbot(W.H.フォックス・トルボット)


英国人写真家ウィリアム・ヘンリー・フォックス・トルボット(1800-1877)は、現在のフィルム・カメラの先駆けとなるネガ・ポジ手法のカロタイプの発明者です。また世界初の写真集製作者としても知られています。名前の日本語読みには「タルボット」とする場合もあります。
1835年までに、彼は不完全ですが十分に機能するイメージ再現プロセスを考案。1840年に改良版のカロタイプを作り上げ、1843年には写真の複数生産を可能にしています。1844年から「The Pencil of Nature(自然の鉛筆)」の出版を開始。オリジナル版は1844年6月29日から1846年4月23日にかけて、6つのパートでバインディングなしの形式でLongman, Brown, Green & Longmans から刊行されました。自身の文章とともに、カロタイプのネガから制作された単塩紙のプリント24点が貼り込まれていました。細部まで表現可能な写真への関心を世間で広めようとの試みでしたが商業的には成功しませんでした。しかし、建築物、風景、静物、クローズアップ、ポートレート、スナップなどの撮影で、カメラと写真による将来の様々な可能性を予見しています。正確な発行部数は不明ですが、約30点が現存しており、全巻完全版は約15点程度といわれています。
ちなみに2009年10月のクリスティーズ・ニューヨークのオークションでは、プリント11枚が付いた3巻が、3万ドル(当時1ドル約90円換算/約270万円)で落札されています。

本書は、この有名な世界最初の写真集「自然の鉛筆」の待望の完全日本語版です。単行本: 192ページ、 29.7 x 21 x 2 cm 、多数の図版を収録。