Diane Arbus: A box of ten photographs

Aperture, 2018

Diane Arbus(ダイアン・アーバス)


1969年後半、ダイアン・アーバス(1923-1971)は、10点セットのポートフォリオ制作を開始。1971年の彼女の死までに、予定していた50点のうち8セットが完成したことが知られています。しかし、彼女の生前の販売数はわずか4点。写真家リチャード・アヴェドンが2セット、アーティストのジャスパー・ジョーンズが1セット、ハーパース・バザー誌のアート・ディレクターだったベア・フェトラー(Bea Feitler)が1セット購入しています。特にフェトラー分ではアーバスは"A woman with her baby monkey, N.J., 1971"を1枚追加して11枚にしています。
このアーバスのポートフォリオは、アート史上において非常に重要な作品です。彼女の死後のキャリア評価を決定づけるとともに、写真がシリアスなアートだと認識されるきっかけを作ったと言われています。現代アート雑誌アートフォーラムの当時の編集長フィリップ・ライダー(Philip Leider)は、アーバスとこのポートフォリオとの出会いがきっかけとなり写真のアート性を認めています。 "ダイアン・アーバスで、私たちは写真に興味をもてるかどうかがわかります。しかし、もはや誰も写真のアート性を否定できないでしょう。何がすべてを変えたかというと、それはポートフォリオそれ自体です"と語っています。
そしてアートフォーラムは1971年5月に写真家としては初めてダイアン・アーバスを特集。1972年には、ポートフォリオは写真としては初めて現代アートの世界的美術展覧会のヴェネツィア・ビエンナーレで紹介されています。

本書は2018年4月からワシントンD.C.のスミソニアン・アメリカ美術館で開催される"Diane Arbus: A Box of Ten Photographs"に際して刊行されています。同館は、1986年にフェトラーのために制作されたポートフォリオをコレクションに追加。今回の展覧会は同作品を使用して、1969年~1973年にかけての"A box of ten photographs"の歴史を振り返っています。展覧会を企画したキュレーターのジョンP.ジェイコブによる新たな徹底的エッセーは、アーバスの伝記の間違いを正すとともに、彼女の死から1972年のMoMA展までの重要な事実の詳細を伝えています。

ハードカバー: 96ページ、サイズ 35.4 x 2 x 29.1 cm、約44点の図版を収録。

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