ピーター・ビアード

BEARD, Peter (1938-2020)

冒険家、作家、アーティストとして活躍するピーター・ビアードは1938年にニューヨーク生まれです。アイザック・ディネーセン(本名カレン・ブリクセン)がケニヤでのコーヒー農園での女主人の半生を描いた"アウト・オブ・アフリカ"に感銘し、1955年に初めてアフリカを旅しています。後に実際に当時彼女のいたデンマークに会いに行っています。イェール大学を1961年に卒業後、憧れの地ケニヤに移住し1964年にンゴングヒルにホグ・ランチを購入します。
1964年から1965年にかけてツァヴォ国立公園で乱獲されるアフリカ像の屍を記録し続け、白人探検家やハンターの入植による環境激変でアフリカがどのように変化したかを現代に伝えようとします。乱獲されるアフリカ像の写真をベースに、歴史的写真と文献を駆使しアフリカの複雑で入り組んだ人間と動物の歴史を現代に伝えようとし、1965年に“ジ・エンド・オブ・ゲーム”としてまとめます。この本でビアードは300枚以上のイメージを駆使しアフリカの野生動物の過去、現在、未来像のドキュメントを試みています。
1966~1968年には後に出版される写真集"アイ・リッズ・オブ・モーニング"のベースとなるクロコダイルの調査をルドルフ湖で行っています。
1970年代になると、彼は多くの時間をニューヨークで過ごすようになります。1973年にはモントークに家を購入しています。ギャラリーや国際写真センターでの個展(1977)、写真集"アイ・リッズ・オブ・モーニング"(1973)、カレン・ブリクソンの料理番カマンテの描いた絵を中心に構成された"ロンギング・フォ-・ダークネス"(1975)の出版などを精力的に行います。
この時期に環境をテーマに取り込んだアーティストとして名声が確立されます。またミック・ジャガー、ジャクリーン・オナシス、フランシス・ベーコン、アンディー・ウォーホールなどとの親交を深めセレブリティーの一員となります。1977年にモントークの家が火事で全焼しそれまでの過去20年の日記がすべてと作品が消失するという事件にもあっています。しかし、日記を毎日欠かさないダイアリストのスタイルは不変で、写真をコラージュした日記自体がアート表現として認められていいきます。 日本では1979年に西武美術館でピーター・ビアード映像展"楽園からの最後の咆哮"が開催されています。

その後彼の写真コラージュとドローイングによる作品や日記は世界各地のギャラリー、美術館で広く展示、コレクションされるようになります。主要写真集は改訂版が刊行される一方、"Diary"(1993)、"50 years of portrits"(1999)、"Zara's tales"(2004)などの著作を発表しています。1966年にパリ国立写真センターで大規模な回顧展"Carnets Africains"が開催されています。2004年には、美しい人間や動物のフォルムに注目した新作"Living Sculpture"をフェーヒー・クレイン・ギャラリー(LA)で発表しています。

2020年4月19日(日)にロングアイランドの自宅近くの森で死亡しているのが発見されました。認知症を患っており、3月31日以来、自宅から失踪してたとのことです。82歳でした。


Peter Beard: The End of the Game
(Taschen, 2020)


Peter Beard (Taschen, 2020)


The End of the Game
(Special Edition)


Peter Beard (Taschen, 2013)


Peter Beard
(Special Edition)


The End of the Game
The Last Word from Paradise
(Taschen, 2008)


Zara's Tales:
Perilous Escapades in Equatorial Africa


The End of the Game
The Last Word from Paradise
(Chronicle Books, 2000)


Spezial Fotografie: Portfolio No. 26