■Artist's Story■
マリック・シディベ
SIDIBE, Malick
1936-



"Malick Sidibe (Sinetica Landscape)"


"Malick Sidibe"


"Malick Sidibe: Photographs"


 


アフリカのマリ共和国出身の写真家マリック・シディベは、1995年のカルチェ財団パリでの回顧展で世界的に注目を集め、2003年にはハッセルブラッド国際写真賞に選ばれています。日本でも2004年の2月から4月にかけて東京の原美術館で作品展 (生きる喜び−アフリカの二人展)が開催されました。

シディベは1936年、当時のフランス領スーダンのソロバ生まれです。子供のときからの優れた絵画の才能が認められ、バマコの国立美術大学でアート教育を受けます。卒業後フランス人写真家のスタジオで写真を学び、ポートレート写真を撮影するようになります。1962年には「スタジオ・マリック」をオープンさせ現在に至っています。
シディベの作品は主に50〜70年代のマリの若者のポートレートと日常のダイナミックなスナップショットです。これらの作品は、1960年マリ共和国独立当時の、政治や文化が開放された首都バマコにおける喜び、希望、自由あふれる雰囲気を写した貴重な記録と高く評価されています。
スタジオのポートレートも、モデルを理解し、その表情、ファッションとともに本人の内面をダイナミックに引き出した「スナップ・ポートレート」と呼べるようなスタイルです。彼は被写体に動きのあるスタジオ・ポートレートを意識したそうです。40年以上に渡って活躍するうちに、バマコで暮らす人々の気分とスタイルの変遷が反映されたポートレート集大成を制作しています。また1940年代までのアフリカでは写真撮影で被写体は魂を失くすと思われてました。シディベなどの土着の写真家の出現がアフリカでの写真普及に大きく貢献しています。

彼の謙虚な人間性は、アンドレ・マニャン氏とのインタビューでよくあらわれています。農民になる運命のマリ農村出身者が写真家として成功したのは、自分の才能を信じて学校に送ってくれた父親の愛によると、答えています。

彼の作品は1995年に初めてアフリカ以外の地で展示されて以来、多文化主義のアートとして世界的に評価されます。2003年のハッセルブラッド国際写真賞に続き、2007年のヴェネツィア・ビエンナーレでは初のアフリカ現代美術の展示に際して栄誉金獅子賞を受賞しています。2008年にベナン共和国のコトノーの「Fondation Zinsou」で回顧展が開催されています。2009年にはニューヨークの国際写真センター(ICP)・インフィニティー・アワード功労賞を受賞しています。

 


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