■Artist's Story■
リン・デイビス
DAVIS, Lynn
1944-




"American
Momument"


"Momument"


"Wonders of the
African World"

 


女性アーティストのリン・ディビスは1944年ミネアポリス生まれです。 現在はニューヨークとノバスコシアに居を構えています。 サンフランシスコ・アート・インスティチュートで学んだ後、 人物中心のフォトジャーナリスト的写真を撮影し多くの雑誌に発表していました。

ディビスは1986年に初めてグリーンランドの氷山に出合いその形の美しさに魅了され新たな作品制作のインスピレーションを得ます。 それ以来、世界中を旅しての遺跡撮影がライフワークとなります。現在では自然風景や古代建造物を大判カメラで撮影するアーティストとして広く知られています。

旅行写真といえば、地球上に未踏地が残されていた19世紀に始ります。写真は 遠隔地のイメージを紹介する役目を果たしていました。その後全ての地域が 踏破され、現代ではその役目は終わり忘れ去られた分野になっていました。彼 女は19世紀の旅行写真の伝統を意識した上でパーソナルなミニマリストの視点 でモニュメントを作品とし撮影することに取り組み始めたのです。

グリーンランドの氷山から始まった旅はその後イエメン、エジプト、スーダン、 オーストラリア、ケニヤ、カナダ、ビルマ、カンボジア、タイ、米国など 世界各地のモニュメント撮影へと続きます。
キザのピラミッド、マリのモスク、カンボジアの寺院、グリーンランドの氷山、カナダの滝も、それが人造物、天然物にかかわらず美しいフォルムに注目し描写しています。シンプルに撮影された モニュメントのイメージは透明感があり静謐な雰囲気を漂わせています。

彼女のモニュメントの選択からはミニマム・デザインで有名なジョン・ポーソン氏編集の写真集“ミニマム”に収録されている建造物に通じる思想が感じられます。 アーティストが魅了される美しい形は、自然物、人工物にかかわらずミニマムの思想が貫かれているのかもしれません。

質感にとことんこだわった圧倒な美しさを持つ作品は時には1メートル四方を越える大判写真で制作されています。作品はニューヨーク近代美術館シカゴ現代美術館(Museum of Contemporary Art, Chicago)、ヒューストン美術館(The Museum of Fine Arts, Houston)などをはじめ世界中の美術館やギャラリーでコレクションされるとともに展示されています。

◆ご参考◆
"Minimum" John Pawson, Phaidon Press 1998 (ジョン・ポーソン“ミニマム”)

ジョン・ポーソンはイギリス人の建築家です。ミニマムとは不必要な部分が極限まで削ぎ落とされた完璧のものと定義しています。 この本は彼独自のミニマムの視点で古代遺跡から現代までの建築物、家具、風景、日本庭園、アート作品、写真などを セレクションしたものです。ミニマムの視線の多様性を発見できます。
(現在、発売されているのは、小サイズ版約16 x 14 cmです。
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