■Artist's Story■
デュアン・マイケルズ
MICHALS, Duane
1932-




"The Essential Duane Michals"

 


デュアン・マイケルズは1932年ペンシルバニアのマッキースポートにチェコスロバキア移民を祖先とした労働者階級の家族に生まれます。 14歳の時ドローイングのコンテストで入賞したことがきっかけで幾多の奨学金を得て、その後デンバー大学で学ぶようになります。卒業後、軍隊でドイツ滞在を経験します。 退役後ニューヨークに出てパーソンズ・デザインスクールでデザインを学びアートディレクターを目指します。ダンス雑誌でアシスタント・アートディレクターを経験後タイム社に転職しキャリアを積み重ねていきます。

しかし、1958年頃までに彼は安定した生活に疑問を持つようになります。そして当時外人に観光が解放されたばかりのロシアに親から借金をし3週間の旅行に出かけます。それまで写真撮影の経験が全くなかった彼はこの旅行のスナップで写真の魅力に取りつかれます。帰国後、タイム社を辞め、デザイナーから写真家を志します。

写真の経験もコネも全くなかった彼はいくつかの幸運に恵まれました。写真技術を知らない彼は商業カメラマンのダニエル・エンティンと出会い、手ほどきを受けることができました。
また、かつての仕事仲間も彼のデザイナーの仕事を覚えてくれていました。いくつかの幸運が重なり、写真家を目指しはじめて1年が経過した1961年には 雑誌“エスクワイヤー”、“マドモアゼル”などの写真の仕事で 生計が立てられるようになっていました。

この時期に制作されたプライベート作品には“Empty New York”があります。 アジェの誰もいないパリの風景に触発されて撮影された無人のバーやホテルなど、人影が絶えたニューヨークのイメージです。1964年から開始されたシリーズはその後2年間で70ほど制作されました。 それらの作品は1966年にはジョージ・イーストマンハウスで開催された60年代を代表する写真展である “現代写真・社会的風景に向かって”にブルース・デビットソンリー・フリードランダーゲイリー・ウィノグランドダニー・ライアンとともに選出されています。1965年には有名なベルギーの画家ルネ・マグリットの多重露光によるポートレートの撮影を行なっています。

その後偶然のシャッターチャンスを待つのではなく、自分自身で状況をセットアップする写真に興味を持ちスタイルを大きく変化させます。 これが彼を有名にしたストーリーを持ったシークエンス写真に展開していきます。1966年ころから開始されたこのシリーズは一種の連続写真です。 彼がストーリーを練り上げ、状況を設定し、登場人物を選ぶもので、映画を何枚かの写真で行なうような手法でした。19世紀に活躍したマイヤーブリッジが似たような連続写真を制作していますが、 被写体の動きでなく、ストーリー展開を中心のコンセプトに置き、見る側に色々な想念を思い浮かばせる作風はマイケルズのオリジナルです。正規の写真教育を受けなかったことが 自由な作品制作の発想につながったと彼はインタビューで答えています。 またこの手法は日本の俳句を生み出すのコンセプトに近いとも語っています。 この作品は1968年にニューヨークのアンダーグラウンドギャラリーで公開され、2年後に彼の初写真集“Sequences”としてまとめられるとともに ニューヨーク近代美術館で個展が開催されアートとして次第に認められるようになります。

1974年からは写真作品に自筆の詩をキャプションとして書き加えることを 開始し再び写真のタブーを打ち破ります。1980年代には着色写真に挑戦し新たなキャリアの展開を 模索しています。

商業写真の分野でも長年にわたって活躍しています。 ヴォーグ米国版の為に映画『華麗なるギャッピー』の撮影、 ライフ誌を含む各種雑誌の表紙撮影、ロックバンド・ポリスの アルバム『シンクロニシティー』のカバー撮影も行なっています。 広告ではエリザベス・アーデン、レブロンなどの仕事を行なっています。 これまでに20冊以上の写真集を出版し、世界各地で写真展を開催し、日本では1990年にパルコギャラリーで個展が開催されてます。

彼は社交をあまり好まず、 思考と読書を常に行なっています。1995年には彼が若いときに感銘を受けた近代自由詩のウォルト・ホイットマンのオマージュの写真集を発表しています。 現在では現実世界より人間の内面を重んじる自らの人生哲学を詩と写真で表現する真のアーティストとして高い評価を受けています。


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