2023-5-15

  

Rodney Smith: A Leap of Faith

J Paul Getty Museum Pubns, 2023

Rodney Smith(ロドニー・スミス)

ロドニー・スミス(1947-2016)は、ニューヨークのマンハッタン生まれ。バージニア大学を卒業後、イェール大学で神学修士号を取得。 1968年、大学在学中にニューヨーク近代美術館の常設写真コレクションを訪れた際に、芸術的なインスピレーションを得ています。 フォトエッセイストとしてキャリアを開始、その後ポートレート写真に転向し、最終的にファッション写真に自分の居場所を見出します。 彼は、W・ユージン・スミスの影響を受け、ウォーカー・エヴァンスの教えを受け、アンセル・アダムスの技術に傾倒します。 テクニック習得と純粋な美という二つの理想を追求していきます。
スミスの作り出すシュールな写真はベルギーのシュールレアリスト、ルネ・マグリットにインスパイアされたといわれています。 また遊び心とユーモアを持ったビジュアルセンスは、20世紀初めのフランス人写真家ジャック=アンリ・ラルティーグの作品スタイルに通じています。 彼は、"私は自分の写真は時間と空間と戯れていると認識しています。しかし、ほとんどの場合、私は自分の写真を面白く、21世紀のアート界から最も下品な表現を使えば、 美しく、ロマンチックだと考えています。"と語っています。彼の撮影では、ポラロイドで仕上がりをプレビューすることはなく、また作成した画像について事前にほとんど考えなかったそうです。また人工の光源はほとんど使わず、被写体に笑顔を求めることも拒んだそうです。

本書には、彼のアーティストとしての進化を示す代表作と未公開写真含めむ多数の画像が収録されています。 ゲッティ美術館のキュレーター、ポール・マーティノーによる評論、センター・フォー・クリエイティブ・フォトグラフィーの チーフ・キュレーター、レベッカ・A・センフによるスミス作品に対する技術的評価も含まれます。 スミスの写真との出会い、初期の個人プロジェクト、教育、依頼された作品、ファッション界でのキャリアなど、創作の軌跡を紹介。 さらに彼の個人的な生活と性格の説明を通して、その作品と創造的傾向を、恵まれたが孤独な生い立ちと複雑な感情や心理の中で意味づけています。

ハードカバー : 248ページ、サイズ 24.13 x 3.05 x 29.21 cm、約224点のカラー図版を収録。