2023-12-14

  

Alex Webb: Dislocations

Thames & Hudson Ltd, 2022

Alex Webb(アレックス・ウェッブ)

アレックス・ウェッブ(1952 - )は、社会政治的緊張のある場所での、偶然の出来事や不思議な瞬間をとらえた、複雑で鮮やかなカラー写真で知られています。
過去45年にわたり、アメリカとメキシコの国境、ハイチ、イスタンブール、そして最近ではアメリカの多くの都市など、さまざまな場所で活動してきました。 彼は「私の作品は、疑問を投げかけ、探求するものです。私は、写真はあるレベルの曖昧さを伝えるもので、 答えを提供するのではなく、問いかけを行うのだと信じています」と語っています。1979年よりマグナム・フォトの正会員。2007年のグッゲンハイム・フェローシップを含む数々の賞を受賞しています。

本書は長らく絶版となっていたウェッブの限定版写真集「Dislocations」を現代的に再構築したものです。 カラー写真のパイオニアとして知られるウェッブは、ジェスチャー、色彩、対照的な文化的緊張を魅惑的な1枚のフレームに並置することを得意としています。 その結果、分断された多層的な意味を高める喚起的なイメージを生み出しています。写真集「Dislocations」は、1998年に当時は最新技術とされていたキヤノンレーザープリントを使用して製作した限定版アコーディオンブックとしてハーバード大学フィルム・スタディ・センターから出版されました。 同書は、ウェッブの多くの異なる場所で撮られた写真を集め、場所の移動と写真行為について考察したものでした。
本書は、限定版として愛されてきたオリジナル作品に、その後約25年に製作されたイメージを見直し、 昨今の居場所の喪失感を物語る未発表のイメージを加えたものです。これらは世界的なパンデミックの、閉ざされた国境と途絶えた移動に支配された世界では制作が不可能な写真作品でした。同書は世界がリセットされた現在でも、当時の忘れえない記憶を私たちに伝えています。

ハードカバー : 128ページ、サイズ 30.8 x 1.8 x 26.7 cm、約80点の画像を収録。



Alex Webb: Dislocations