2024-1-31

  

Joel Meyerowitz: A Question of Color

Thames & Hudson, 2024

Joel Meyerowitz(ジョエル・マイロウィッツ)

ジョエル・マイロウィッツ(1938 - )は、カラー写真の初期の提唱者として知られており、約58年間にわたり、刻々と変化するアメリカの社会情勢を記録してきました。 いまではニューカラー写真分野で、ウィリアム・エグルストンらとともに代表する作家だと評価され、何世代ものアーティストに影響を与え続けてきました。
代表作は、1976年~1977年までに東海岸のリゾート地コッド岬で8X10"の大型カメラとカラーネガフィルムを使用して撮影され、ボストン美術館で個展が開催された「ケープ・ライト」です。 その後、「セントルイス&アーチ」(1981)、「夏の日」(1985)、「Bay/ Sky」(1993)、ニューヨーク同時多発テロのビル倒壊現場を撮影した「アフターマス(Aftermath)」(2006)などを発表しています。

1960年代後半、マイロウィッツはモノクロームとカラーの2台のカメラを持ち歩いていました。 アメリカのファインアート写真家たちが、いつ、どのように、そしてなぜ、ギャラリー・システムの中で珍重されていたモノクローム写真から、 休日にアマチュアがスナップするものとみなされていたカラー写真に表現方法を切り替えたのかについては、多くの議論があります。
本書で、マイロウィッツは写真家として駆け出しの頃、本格的な写真家はモノクローム写真を撮るものだと聞かされたときのことを語っています。 「しかし、世界はカラーなのに、なぜだろう」と、彼は問いかけ続けたそうです。その後、マイロウィッツはカラ用ーカメラと様々なフィルムを買い求め、マニュアルを読み、 カラー撮影テクニックの試行錯誤を開始します。そして彼はその情熱を生涯通して追い続けたのです。本書では同じ場所で撮影した多くのカラーとモノクロ写真を対比して紹介。 ニューカラー写真分野のパイオニアであるマイロウィッツの、カラーとモノクロ写真の実験の軌跡をたどる興味深い内容です。

ペーパーバック: 224ページ、サイズ 17.53 x 2.29 x 21.84 cm、多数のカラー/モノクロ図版を収録。



Joel Meyerowitz: A Question of Color