2024-3-1
Steidl, 2024
Juergen Teller(ヨーガン・テラー)
ヨーガン・テラー(1964-)は、ドイツ出身でロンドン在住のファッション/ファインアート分野で活躍する写真家です。
彼のファッション写真は、パーソナルな視点による大胆な美の追求とスタイルの解釈に定評があります。
既成概念に囚われることなく、ファッション・シーンの内側からモデルを撮影し、
彼女たちのパーソナリティーの本質や繊細さを引き出すことで知られており、一目でヨーガン・テラー作品だとわかるイメージを生み出しています。
本書は、ヨーガン・テラーとクリエイティブ・ディレクターのデニス・フリードマンが、「W」誌のために、そして後にニューヨークの高級百貨店バーニーズのために行った長期にわたるコラボレーションを紹介するものです。1999年から2016年にかけて、2人はテラーのトレードマークであるリアルなスタイルで捉えた象徴的なシリーズを次々と発表。
テラーは、「W」誌のための写真では一貫して時代の流れに逆らいます。大規模な予算をかけた撮影に抵抗し、反商業的な物語と簡素化されたリアルなロケーションを追求します。
例えば、1999年の忘れがたい最初のエディトリアルでは、ステファニー・シーモア、シャローム・ハーロウ、ナオミ・キャンベル(他のスーパーモデルも含む)が雑誌のオフィスワーカーとして登場しています。
彼は、オートクチュールの顧客、モナコグランプリでのケイト・モス、社交界のコレクターのティルダ・スウィントンから、ウィリアム・エグルストンやロニ・ホーンのポートレートまでを撮影。
これらのテラーの「W」誌のための仕事は、彼の創造的自由の進化を明らかにしています。
2011年から2016年にかけて行われた、バーニーズのカタログのために二人が手がけた作品では、
ベオグラード、パナマシティ、ティラナといった珍しいロケーションで撮影を行っています。
これらは彼らのリスクを冒したファッション写真の創作アプローチを象徴しており、出来上がったイメージには遊び心と予想外のシナリオが見られます。
モデルや俳優がコミカルなポーズで現場を探検しており、一種の型破りな広告が生み出されています。
本書では、テラーが自身のアーカイブから1999年から2016年までのW誌やバーニーズ・カタログのオリジナルを撮影しています。
彼はこの手法で、過去の作品を見返す物理的なプロセスを強調。そのプロセスでもたらされた彼の驚きを読者も共有可能にすることを目指しています。
ハードカバー : 208ページ、サイズ 21.08 x 1.78 x 27.43 cm、約225点の図版を収録。