2025-6-18
Thames & Hudson, 2025
Paolo Roversi(パオロ・ロベルシ)
パオロ・ロベルシ(1947-)は、イタリア・ラベンナ出身のファッション、ポートレート写真家です。20歳で写真家デビューし、1973年にアシスタントとしてパリに移り住みます。早くも1975年には“Depeche Mode”にファッションイメージを発表、1979年に行なったマリー・クレールの撮影以来、スタジオでの制作活動を中心にしています。1980年以来、ロベルシは8x10インチのポラロイドを使用しスタジオ撮影を行っています。ポラロイドの固有の技法で作り上げられた彼の色彩スタイルは多くの写真家に影響を与えています。彼は、"スタジオは単なる場所ではなく、人生そのもの、創作の源泉、写真と関わる方法論"だと語っています。1983年以来、パリを拠点に欧州各国版のヴォーグ誌やハーパース・バザー誌で活躍するようになります。広告写真ではクリスチャン・ディオール、クロード・モンタナ、イブ・サンローラン、ロメオ・ジリ、コムデ・ギャルソンなどを手掛けています。
ロベルシは、純粋な美を求めて、時代を超えた神秘的な作品を創造し続けてきました。その作品は、スタジオの選択と大型フォーマットカメラやポラロイドカメラの使用によって特徴付けられます。彼の写真の中核には、ファッションデザイナーやモデルとの深い関係性があり、特にヨウジ・ヤマモト、ロメオ・ジリ、レイ・カワクボ、ディオールとのコラボレーションが有名です。これらの実りある協業は、ロベルシ自身の創作活動においての、挑戦、刷新、継続を可能にしてきたのです。しかし、彼は、ファッション界の中心で最高のデザイナーたちや権威ある雑誌と仕事を行ってきましたが、その一過性のトレンドから距離を置いた立場を保ち続けてきました。
本書はロベルシ本人との緊密な協力のもとで企画開発・デザインされた、彼の過去50年間のキャリア全体を網羅した決定版モノグラフです。彼のアーカイブを基に作成されており、未公開を含む多くの写真作品を収録しています。彼が写真撮影する創造的空間を劇場の舞台のように扱い、新たなコラボレーションごとに常に再構築するアプローチが探求されています。
ハードカバー : 205ページ、サイズ 24.13 x 2.54 x 29.72 cm、約150点の図版を収録。